大塚HDの1~9月、純利益32%減 研究開発費膨らむ
大塚ホールディングスが14日発表した2017年1~9月期の連結決算(国際会計基準)は、純利益が前年同期比32%減の730億円だった。海外子会社の製品で減損損失約230億円を計上。新薬の研究開発費も膨らんだ。
売上高は3%増の9190億円だった。主力の抗精神病薬「エビリファイ」は特許切れの影響で落ち込んだ。一方で抗がん剤「ロンサーフ」や抗精神病薬「レキサルティ」など中長期的な成長を見込む新薬群の売り上げは約3割伸びた。栄養補助食品「カロリーメイト」を含む事業も増収だった。
営業利益は26%減の948億円だった。米子会社アバニアファーマシューティカルズの片頭痛治療薬「オンゼトラ」が伸び悩んでいるため、将来の収益計画を見直し無形資産の減損を計上した。
17年12月期通期の業績予想は据え置いた。売上高は前期比5%増の1兆2600億円、純利益は8%減の850億円を見込む。牧瀬篤正専務は電話会見で「通期予想の達成に向けてほぼ計画通りに進捗している」と語った。
同日午後1時半の決算発表直後から大塚HD株は上昇。前日比2%(115円)高の4752円で引けた。市場では「新薬群が想定以上に伸びている」(国内証券)との指摘があった。
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