2017年11月22日(水)

東北の地銀、実質業務純益減る 中小向け融資強化

北海道・東北
2017/11/15 0:00
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 東北6県の地方銀行の2017年4~9月期決算が14日、出そろった。本業のもうけを示す実質業務純益は13行・グループの合計で15%減った。日銀のマイナス金利の影響で貸出金利回りが低下するなか、貸出金利息収入や手数料収入が落ち込んだ。各行は比較的利回りの高い中小向けの融資に力を入れる方針。貸し出しのボリュームを増やして収益確保をめざす。

決算会見に臨む仙台銀行の鈴木隆頭取(14日、仙台市)

 9月末時点の貸出金残高は全体で約22兆円と前年同期比2%増えた。けん引したのは中小企業向け融資だ。実質業務純益が増加したみちのく銀行の高田邦洋頭取は「地元中心に中小企業向けの貸し出しは計画を上回った」と評価した。秋田銀行は今期から人員を店舗に振り向けて顧客訪問頻度を上げたところ、仙台や青森などの県外15店舗で中小企業向け貸し出しが前年同期より数十億円増えた。

 じもとホールディングス傘下の仙台銀行は中小向け融資が8%増と伸びが大きかった。上半期に製造業を対象にした商談会を21回開催し、成約件数は36件だった。鈴木隆頭取は「事業内容を判断してリスクを取った融資が貸出金の増加につながっている」と強調した。

 各行とも担保に過度に依存せず、事業の将来性などに貸し出しする「事業性評価融資」に力を入れる考え。岩手銀行の田口幸雄頭取は「創業支援や技術を持つ企業の掘り起こしも進めたい」と語る。青森銀行の成田晋頭取は「中小企業向け貸し出しを中心に積極的にリスクマネーを供給する」と述べた。

 ただ貸し出し拡大による収益確保には各行とも苦労している。貸出金利息による収入は13行・グループ合計で2%減った。収入を増やした七十七銀行東邦銀行は利回りの低下を貸し出しのボリュームを増やしてカバーした。七十七銀行の氏家照彦頭取は「首都圏などレートが厳しいところは抑え、東北に貸し出しを振り向けた」と語った。

 手数料収入からなる役務取引等利益は合計7%減った。各行が減らす中、大東銀行は18%増と大きく伸ばした。鈴木孝雄社長は「投信販売が好調に推移している」と手応えを示した。東邦銀行も預かり資産が9月末で4634億円と6%増。生命保険が13%増えて全体を押し上げた。

 各行にとって手数料収入の拡大は経営課題だ。東北銀行の村上尚登頭取は「ビジネスマッチングや法人関係手数料など役務収益を強化したい」と語る。

 一方、株式や債券など有価証券の売却が業績に影響を与えるケースも目立った。北日本銀行は株式等売却益で7億2000万円を計上したが、連結純利益は3%減と収益力の低下をカバーしきれなかった。

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