2017年11月19日(日)

東京五輪向けの3施設で整備費69億円増額

科学&新技術
BP速報
2017/11/14 23:00
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日経アーキテクチュア

 2020年東京五輪に向けて東京都が整備する全8会場のうち、デザインビルド(DB、実施設計・施工一括)で発注する主要3会場で、16年末時点の整備費から増額となる見込みが明らかになった。

「オリンピックアクアティクスセンター」の五輪開催時の外観イメージ(2017年11月時点)。基本設計は山下設計、実施設計と施工は大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JV(資料:東京都)

「オリンピックアクアティクスセンター」の五輪開催時の外観イメージ(2017年11月時点)。基本設計は山下設計、実施設計と施工は大林組・東光電気工事・エルゴテック・東洋熱工業JV(資料:東京都)

 整備費増となったのは、16年末に会場見直しなどが議論された水泳会場の「オリンピックアクアティクスセンター」、ボート・カヌー会場の「海の森水上競技場」、バレーボール会場の「有明アリーナ」の3会場だ。増額は計69億円に上る。一方、残り5会場と関連整備で計67億円の縮減を図る見込みだ。

■増額の要因は環境への配慮

 主要3会場の整備費は、アクアティクスセンターが567億円、海の森水上競技場が308億円、有明アリーナが357億円で計1232億円の見込みだ。都が公表した特別委員会の資料によると、増額となった要因は主に「環境への配慮」だ。

 アクアティクスセンターは増額分のうち3億円を、地中熱利用設備や太陽光発電、太陽熱利用に充てる方針だ。このほか、地中障害物や汚染土の処理などに38億円を投じる。

 海の森水上競技場では太陽光発電のほか、遮熱性舗装、中高木植栽、木材利用を採用するため10億円増額。有明アリーナでは、地中熱利用設備や太陽光発電、太陽熱利用に加えて木材利用、再生水の活用によって12億円の増額となる。加えて、エレベーター・エスカレーターの整備や受注者などとの協議によって計6億円が必要になる見込みだ。

「海の森水上競技場」の外観イメージ(2017年11月時点)。基本設計はパシフィックコンサルタンツ。実施設計と施工は大成建設・東洋建設・水ing・日立造船JV(資料:東京都)

「海の森水上競技場」の外観イメージ(2017年11月時点)。基本設計はパシフィックコンサルタンツ。実施設計と施工は大成建設・東洋建設・水ing・日立造船JV(資料:東京都)

「有明アリーナ」の外観イメージ(基本設計時点)。基本設計は久米設計。実施設計と施工は竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JV(資料:東京都)

「有明アリーナ」の外観イメージ(基本設計時点)。基本設計は久米設計。実施設計と施工は竹中工務店・東光電気工事・朝日工業社・高砂熱学工業JV(資料:東京都)

■中小規模2施設で44億円の縮減へ

 残り5会場のうち整備費の縮減につなげたのは、「アーチェリー会場(夢の島公園)」と「有明テニスの森」の2会場だ。16年末時点で24億円だったアーチェリー会場の整備費は14億円に、有明テニスの森は144億円を110億円にそれぞれ減らした。「カヌー・スラローム会場」(73億円)と「大井ホッケー競技場」(48億円)、既に竣工している「武蔵野の森総合スポーツプラザ」(351億円)の整備費に増減はなかった。

 都整備の会場整備費は全体で1828億円。8会場のほか、歩道橋の整備見直しなどで削減する23億円を含めた合計額だ。都が当初整備費とする14年11月時点の整備費からは、合計413億円の縮減とした。

 東京都は、「有明体操競技場」の整備費の負担額についても見込みを示した。同施設は、東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会が整備する仮設会場だ。大会後は都が約10年間、展示場として後利用する予定になっている。現時点の整備費253億円について、都と組織委員会がそれぞれの負担額について協議していた。

 今回公表した都の負担額は193億円。大会後も展示場として使用したり、改修・追加整備したりする後利用相当部分の費用を割り当てたものだ。

 有明体操競技場は鉄骨造・一部木造の地上3階建てで、大会時は延べ面積約3万9300m2(平方メートル)、観客席1万2000席を有する競技場となる計画だ。敷地面積は約9万6400m2。大会後は、敷地面積を3万6500m2、延べ面積を約2万7600m2に縮小し、展示場とする。展示面積は約1万m2を見込む。

 大会時にのみ使用する部分の整備費は60億円と試算しており、都と組織委員会の負担については、いまだ精査中だ。

(日経アーキテクチュア 谷口りえ)

[日経アーキテクチュアWeb版 2017年11月14日掲載]

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