文科相、加計獣医学部を認可 来春開学へ
林芳正文部科学相は14日の閣議後の記者会見で、学校法人「加計学園」(岡山市)が愛媛県今治市で予定している獣医学部の新設計画を認可したと発表した。2018年4月の開学が正式に決まった。政府の国家戦略特区を活用し、長年設置が規制されてきた獣医学部が52年ぶりに新設される。

林文科相は会見で「(大学設置・学校法人審議会の)答申結果を尊重して認可を判断した」と述べた。獣医学部新設を認める政府の4条件を満たしているかは「特区承認時に関係省庁で確認した」とし、改めて確認する必要はないとの考えを示した。
加計学園が運営する岡山理科大学の獣医学部を巡っては、教育内容を審査していた設置審が8月、実習内容が不十分などとして判断を保留。その後の学園側の計画修正を受け、9日付で設置を認める答申を提出した。答申では留意事項として、厳格な定員管理や人数を分散して実習を行うなどの工夫を求めた。
野党は特別国会で、加計学園の特区選定や設置審の審査過程について政府を追及する構え。立憲民主党の長妻昭代表代行は14日、国会内で記者団の質問に対し、「撤回してきちんと説明してもらわなければ困る」と述べた。「国会の本格審議の前に決定したことは怒りを持っている」とも強調した。

文科省はこれまで、獣医師が過剰になる恐れがあるとして獣医学部の新設を規制してきた。加計学園は17年1月、地域限定で規制を緩和する国家戦略特区の事業者に選定され、設置審に開設を申請した。
しかし加計学園の加計孝太郎理事長が安倍晋三首相の長年の友人であることから、何らかの便宜が図られたのではないかとの疑惑が浮上。安倍首相や政府は一貫して否定した。