GE、金融危機以来の減配 10~12月、前四半期の半分 - 日本経済新聞
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GE、金融危機以来の減配 10~12月、前四半期の半分

【ニューヨーク=稲井創一】米ゼネラル・エレクトリック(GE)は13日、2017年10~12月期の配当金額を17年7~9月期に比べ半減させると発表した。配当引き下げは金融危機の影響で減配した09年以来となる。米石油サービス大手ベーカー・ヒューズの株売却・分離を含めた事業の絞り込み策も表明。8月に最高経営責任者(CEO)に就任したジョン・フラナリー氏の下で経営の立て直しに取り組む。

13日に米ニューヨークで開催した投資家向け説明会でフラナリー氏は「減配は最大限の苦痛を伴うものだ。GEをよりシンプルに強くするため、危機感を持って行動する」と述べた。

フラナリー氏は幅広い事業領域が人材と投資の効果的な配分を損なっていると分析。事業基盤が強く成長性が高い事業に注力する方針を示した。

具体的には「電力」「航空機エンジン」「医療機器」の3分野を中核事業と位置づける。足元では電力事業は低迷しているが、商品構成を変更するなどして1~2年で電力ビジネスの収益が改善する見通しを示した。

一方で、課題事業として17年7月に買収を完了したベーカー・ヒューズと鉄道事業をあげた。フラナリー氏は「(ベーカー・ヒューズは)強い技術基盤を持つが、商品市況の変動に常にさらされる」と事業の先行きに懸念を示した。フラナリー氏は10月に今後1~2年で資産ベースで200億ドル規模(約2兆2600億円)の事業の分離・売却を表明したが、ベーカー社はこの枠とは別に株式売却も含め分離の検討候補とする。

ジェフ・イメルト前CEOが注力したあらゆるモノがネットにつながるIoTを手掛けるGEデジタルについては、事業領域を大幅に絞りこむことで18年に4億ドルのコスト削減を実現する。

GEは17年7~9月期純利益が前年同期比10%減の18億ドルと2四半期連続の減益。売上高も伸び悩んでおり、株価は10日終値で20.49ドルと年初から約35%下落している。11月に5年ぶりに20ドル台を割り込む場面もあり、株式市場での成長期待が大きく後退している。

株式市場ではGEの利益を生み出す力の低下が問題視されており、フラナリー氏は17年10~12月期の株式配当金を1株当たり12セントと17年7~9月期の24セントに比べ半減させる方針を決めた。

18年には純現金収支(フリーキャッシュフロー)で最大70億ドルを生み出す考えを示した。今後のM&A(合併・買収)の方針について、過去の買収案件で相乗効果が想定を下回っている案件があることを踏まえ、企業買収にはより厳格に事前調査が必要と強調。当面は大規模な買収を避けることを示唆した。

フラナリー氏は経営判断のスピードを上げるため、取締役を現在の18人から18年に12人に削減する考えも示した。「中核事業に注力して現金収支を最大化する。18年をGEのリセットの年にしたい」と述べた。

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