2017年11月23日(木)

クアルコム、ブロードコム買収提案を拒否 1株70ドルは「過小評価」

ネット・IT
エレキ
北米
2017/11/13 23:45
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 【シリコンバレー=佐藤浩実】半導体世界3位の米クアルコムは13日、同5位のブロードコムによる買収提案を拒否すると発表した。1株あたり70ドルという株式の買い付け価格は「クアルコムの企業価値を過小評価している」とした。ブロードコムは敵対的であっても買収を続ける構えで、今後、価格の引き上げなどに動く可能性がある。

クアルコムの施設(6日、サンディエゴ)=ロイター

 両社をめぐっては今月6日にブロードコムがクアルコムに対し、半導体業界で過去最大となる1030億ドル(約12兆円)での買収を提案した。1株あたり70ドル(60ドルの現金と10ドル分のブロードコム株)という価格は、2日時点の終値55ドルに28%を上乗せした値だ。クアルコムはこれまで「取締役会で精査する」とだけ説明していた。

 クアルコムのポール・ジェイコブス会長は13日早朝に出した声明で「クアルコムのモバイル技術でのリーダーシップと将来の成長性をかんがみると、ブロードコムの提案はクアルコムの企業価値を著しく過小評価している」とした。

 クアルコム株は今年1月に知的財産の対価をめぐる米アップルとの法廷係争が表面化するまでは65ドルを上回っており、今年に入って15~20%ほど下落した経緯がある。

 ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は6日以降、複数の米メディアに対してクアルコム経営陣の交代と、ブロードコムによる買収提案の受け入れを求めて委任状争奪戦(プロキシファイト)に入る可能性を口にしている。

 QUICK・ファクトセットによると、6月末時点のクアルコムの上位株主は資産運用大手のバンガード・グループ(約7%)やフィデリティ・マネジメント&リサーチ(約5%)など。ブロードコムがどれだけ魅力的な条件を提示できるかが争点になりそうだ。

 クアルコムはスマートフォン(スマホ)向け通信チップの世界首位で、17年9月期通期の売上高は223億ドル。ただ、スマホ市場が成熟してきたため最近はデータセンター向けなどの新分野に進出した。16年には車載半導体大手NXPセミコンダクターズ(オランダ)の買収も決めた。同社の買収では当局承認を得るのに苦戦しており、こうした経験も提案拒否の背景にあるもようだ。

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