2019年8月19日(月)

地球史に「チバニアン」濃厚 千葉に磁場逆転の痕跡

2017/11/13 20:00
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千葉県市原市にある地層が、地球の歴史で約77万~12万6千年前の時代を代表する標準地に認められる見通しとなった。茨城大学や国立極地研究所などの日本チームとイタリアチームが競っていたが、国際学会の専門部会での投票で日本チームの申請を妥当だとした。ラテン語で「千葉時代」を意味する「チバニアン」と命名されることが濃厚になった。

日本の地名が採用されれば初めて。日本チームは2017年6月、市原市の養老川沿いに露出する、地球の磁場(地磁気)が逆転した痕跡を残す「千葉セクション」という地層を申請していた。

11月10日を期限に国際地質科学連合の専門部会のメンバーによる1次審査の投票を実施。日本が60%以上の票を集め、競合相手であるイタリアの2カ所を上回った。来年以降、3段階の審査を経て正式に決定すれば「千葉時代」の名前がつく。

77万年前の火山灰の層(水平方向にのびる割れ目)から上部の層に地磁気が逆転した証拠が残る

77万年前の火山灰の層(水平方向にのびる割れ目)から上部の層に地磁気が逆転した証拠が残る

地質学では気候や生態系の変化に応じ、約46億年の地球の歴史を115の区分で表す。国際地質科学連合が各時代を代表する地層を1カ所選び、その年代名を決める。約77万~12万6千年前の区分には該当する地層がなく、名称がなかった。

日本が多くの票を得たのは、千葉の地層を詳しく調べ、学術的な価値が高いとアピールしたのが大きい。茨城大の岡田誠教授は「地磁気の逆転が起きたことを示すデータに強みがあった点が評価された」と話す。

方位磁石のN極は北を、S極は南を示すのが当たり前だと思われているが、過去には逆を向く時代が何度もあった。これが地磁気の逆転だ。

地球の深部では液体の鉄が対流しており、この流れの複雑さで地磁気の逆転が起きるとされる。逆転は過去360万年間に少なくとも11回起き、最後は約77万年前だったことを千葉の地層に含まれる鉱物などを調べて明確にした。従来は約78万年前と考えられていた。

千葉の地層には火山灰や花粉、微生物などの化石も含まれている。これらのデータから当時の日本の気候などが分かるという。世界の気候変動の研究で重要な場所だとの訴えが実った形だ。岡田教授は「3候補から最もよいと判断された。正式に通過するようにデータを積み増したい」と語る。

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