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みずほ、敵は異業種にあり フィンテック台頭に危機感

2017/11/13 20:30
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 みずほフィナンシャルグループ(FG)は13日、メガバンクとしては異例の人員・店舗数の削減を柱とする「構造改革」を発表した。日銀のマイナス金利政策や人口減少で収益環境が悪化する一方、金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックが普及し、異業種の新規参入者との競争にも備えなければならない。自らの高コスト体質にメスを入れなければ生き残れないとの危機感がみずほFGを突き動かした。

決算発表するみずほフィナンシャルグループの佐藤社長(13日午後、日銀本店)

決算発表するみずほフィナンシャルグループの佐藤社長(13日午後、日銀本店)

 「(従業員)1.9万人を2026年度までに実数として減らす」。みずほFGの佐藤康博社長はこの日、会見でこう明言した。配布した「抜本的構造改革への取り組み」と題した資料には、17年3月末時点で7.9万人いる従業員を26年度までに6万人に、拠点数も24年度までに約500から約400に減らすと太字で書き込んだ。

 「10年後を見据えた抜本的な構造改革」(佐藤社長)と位置付ける。新規学卒者を大量採用し、全国に店舗網を展開する現在の高コスト構造。社会的な要請や見栄から手を付けてこなかったが、人口減などによる逆風が吹くなか、「持続不能」と判断した。

 「フィンテック」による構造変化も重い。今後は人員や店舗のコスト負担が軽いIT系企業などの金融業への参入が増え、競争環境は激変する恐れがある。「決済や送金など伝統的銀行業務が新しい参加者に侵食されていくことへの危機感は非常にある」とも佐藤社長は述べた。

 みずほFGでもフィンテックを活用し、定型事務のロボット化などで人員を削減していく。同業の三菱UFJフィナンシャル・グループ三井住友フィナンシャルグループも事務のロボット化を計画してはいるが、その狙いについては「業務量の削減」との説明にとどめている。「人員削減」を明確に打ち出したみずほFGの踏み込み度合いが際立つ。

 根底には業績低迷がある。17年4~9月期の本業のもうけを示す実質業務純益(みずほ銀行とみずほ信託銀行の合算)は1807億円と41%も減った。メガバンクで最初に委員会設置会社に移行し、16年にはカンパニー制を導入するなど組織改革で銀行界の先頭を走ってきたみずほFGだが、「稼ぐ力」にはつながっていない。

 議論は割れた。最大の焦点は「人員数」に踏み込むかどうかだった。人事部などは、他の2メガバンクと同様、「業務量の削減」にとどめるべきだと主張。一方、投資家向け広報(IR)部門などは「従業員の削減」を求めた。みずほFG株は年初からほぼ横ばいで株高の波に乗れず、「経営陣も投資家を強く意識していた」(みずほFG関係者)という。

 行内には波紋が広がる。「転職先探しを始めることにしたよ」。みずほグループの30歳代社員は10月下旬、気心の知れる知人にこう打ち明けた。「支店長ポストが減るとバブル期入行組がこぼしている」、「役員の方が多すぎでしょ」。こんな不満が漏れている。

 みずほFGは一部地方での新規住宅ローンなどを取りやめ、事業構成の取捨選択にもすでに着手している。収益環境が悪化しているとはいっても、人工知能(AI)や仮想通貨技術、資産運用など金融業には成長のタネも多い。縮小均衡を避け、行内の士気を高めていくには、どの分野で稼いでいくのかを示す戦略を早期に策定する必要がある。(奥田宏二)

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