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DeNAラミレス監督、大胆采配の裏にリアリズム
編集委員 篠山正幸

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2017/11/14 6:30
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 楽観と悲観のベストミックス――。采配をずばずば当てて、DeNAを19年ぶりの日本シリーズへと導いたアレックス・ラミレス監督の手綱さばきの裏に、選手への信頼と、「万が一」を想定したリスク管理のバランスの良さがみえた。

 選手のことは信頼する。しかし、試合の中では何が起こるかわからないから、常に不測の事態に備えておく。監督としてはごく当たり前のことだが、信頼に流されて先発投手の交代時期がワンテンポ遅れる、といったことはままある。長丁場のシーズンとは違って、短期決戦では特に信頼があだとなりかねない。

ラミレス監督(左)は抑え投手として山崎康を信頼することで復活させた=共同

ラミレス監督(左)は抑え投手として山崎康を信頼することで復活させた=共同

 先発起用したメンバーを、ころころ代えるのは自身のオーダー編成の間違いを認めるようなものでもある。自身のプライドがかかってくるところに、どんなに頭脳明晰(めいせき)な監督でも、判断を乱しかねない要素が生まれてくる。

 ラミレス監督にとって、おそらくそうした「体面」の問題などはとるに足らないことなのだろう。熟慮したうえで採用していたはずの3番筒香嘉智、4番ホセ・ロペスの打順を、シーズンも残り5試合となった9月29日の阪神戦からひっくり返し、3番ロペス、4番筒香に。

 シーズン終盤は阪神と巨人の間に挟まれて、2位フィニッシュもあれば、4位への転落もありうるという切迫した状況が続いた。そのなかで監督がジタバタしている、とみられるリスクもあった。

選手を信頼し「最悪」にも備える

 念入りにデータを研究し、万全の裏付けをもって指揮を執っているという自負があるためか、ラミレス監督は人にどう思われようが構わない、という様子だった。変わり身の早い監督とみることもできようが、こういう身のこなしは生半可な気持ちでできることではなく、むしろ信念の強さを認めるべきかもしれない。

 信頼によって人を生かした例が、1番に固定し続けた桑原将志の起用であり、抑えとして復活させた山崎康晃の起用だった。

 7月終わりから8月の初め、山崎康が2試合連続で抑えに失敗した。その直後、ラミレス監督は山崎康に「今季はずっと抑えをやってもらう」と話したそうだ。

 選手への絶対的信頼を示す傍らで、「最悪の事態」を想定した用意の周到さも示した。クライマックスシリーズ(CS)ファイナル、広島に4連勝として日本シリーズ進出を決めた試合では、先発に立てた石田健大を1回で降ろしている。本来先発の浜口遥大を救援で待機させるなど、石田の早期降板への備えは万全だった。信頼していないというのではなく、短期決戦必須の用兵。あの決断がなければ、広島に対して主導権を握り続けることができたかどうか、わからない。

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