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超高感度の磁気センサーで自動運転 愛知製鋼が実験

トヨタ自動車グループの素材メーカー、愛知製鋼が次世代の自動運転関連技術の開発に乗り出す。自社開発した超高感度の磁気センサーなどを使って自動運転バスを走らせる実証実験を11日、国土交通省などと滋賀県で始めた。自動運転の実験は全国各地で始まっているが、磁気センサーや道路に埋めた磁石などを使うシステムで公道を走らせるのは全国初という。

自動運転の開発の主流は一般に全地球測位システム(GPS)やレーザー式センサー、カメラから得た画像を認識するシステムで車の位置や歩行者などの情報を分析し、道路を走らせる仕組み。

愛知製鋼が開発したのは、小さい磁力でも感知でき車に取り付けて使う磁気センサーを活用する。「磁気マーカー」と呼ぶ磁石を埋め込んだり貼り付けたりした道路をセンサーでたどるシステムだ。GPSなどと同様に車の位置を精緻に把握できる。部品コストは従来に比べて数十分の1と大幅に減らせるという。GPSが使いにくい場所や道路の白線が隠れる雪道などに強みを持つ。

滋賀県東近江市の道の駅「奥永源寺渓流の里」を拠点に17日まで実施する実証実験に参加する。道の駅周辺の山あいの道路約5キロメートルを、先進モビリティ(東京・目黒)の20人乗りのバスが走る。大半をドライバーが搭乗して非常の際はすぐに人間による運転に切り替えられる「レベル2」で試す。一部区間では環境を限定したうえで原則ドライバーが不要の「レベル4」も実験する。

バスにはGPSやその他のセンサーも搭載しており、愛知製鋼のシステムを使うのはGPSが使いにくい約500メートルの区間になる。愛知製鋼は実証実験などを経て2020年の実用化を目指す。

磁気を検知して自動で乗り物を走らせるシステムは精度が高くこれまでも研究されているが、高速道路上や万博などでの利用にとどまる。高コストでこれまで普及が進まなかったからだ。

11日には関係者向けの試乗会も開かれた。記者も同乗したが、GPSの電波の捕捉に不具合が発生しバスが道の外側に膨らんで走行する場面もあった。位置を正確に把握するためには複数の認識手段があると安全・安心度は高まる。愛知製鋼の磁気システムへの需要も今後広がりそうだ。

愛知製鋼はトヨタの前身、豊田自動織機製作所(現・豊田自動織機)の製鋼部門として1934年に設立されたトヨタの兄弟会社。特殊鋼や自動車部品の鍛造品が主力だが、電気自動車(EV)や燃料電池車(FCV)など次世代車の普及をにらんで関連分野の開拓を急いでいる。

磁気センサーを使った自動運転システムも次世代車をにらんで期待をかける分野だ。センサー事業を所管する浅野弘明副社長は「磁気センサーはもともと自動車向けを意図して開発してきた。スマートフォン向けの電子コンパスの用途で技術を練ってきたがようやく車に使えるようになった」と話している。

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