2017年11月21日(火)

取引先消えぬ不信、調達先変更の動きも 米制裁金の懸念も

環境エネ・素材
2017/11/10 19:28
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 神戸製鋼所は10日の会見で、アルミ・銅製部材では525社の取引先のうち、9割を超える474社の企業から安全性が確認されたとしている。しかし、相次ぐ不正の発覚で同社に向けられた視線は厳しい。消えぬ不信感から調達先の変更を検討する企業も出始めた。

 三菱重工業は神鋼の部材をH2Aロケットに採用している。12月に37号機を打ち上げる計画だが、三菱重工の二村幸基執行役員フェローは同日、「安全性を確認したとしたものの材料の強度調査は継続する。この機体で終わりではない」と厳しい表情で話す。

 川崎重工業も神鋼のアルミ製品や航空機用エンジンなどに使っているが、金花芳則社長は「当然ながら当社にかかった費用は請求したい」という。

 トヨタ自動車は神戸製鋼所から仕入れた製品について、すでにアルミ板のほか、国内で購入したアルミ押し出し品、銅管や鋼線などの安全性を確認したと公表している。ただ、海外で購入した製品や銅製品などの他の製品はまだ確認中で「全容の調査には時間がかかる」見通しだ。

 軽量化に効果があるアルミ部材は、環境規制の強化で需要が高まっている。アルミで国内最大手のUACJでは「神戸製鋼から調達先を変更して欲しい」(幹部)との要望も受けるが、同社のアルミ工場の稼働は限界に近づいており、ユーザーの中には「簡単に調達先をかえられない」(大手重工メーカー)との声も漏れる。

 神鋼は前期まで2期連続の赤字。一連の不正による損失を現時点で100億円とみているが、米司法省から報告書の提出を求められている。同省から制裁金を科せられる可能性がある。米当局の動き次第で、今期計画していた黒字転換も危うくなる。

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