2017年11月20日(月)

サウジ不安、原油高進む 2年4カ月ぶり高値圏

ヨーロッパ
中東・アフリカ
2017/11/10 23:00
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 【ロンドン=篠崎健太】サウジアラビアの政情不安が原油価格を押し上げている。国際指標の北海ブレント原油先物は、約2年4カ月ぶりの高値圏に浮上した。主な産油国による減産延長の期待に中東情勢の緊張が重なり、需給の引き締まり観測に拍車がかかったためだ。原油高が行き過ぎれば物価上昇の懸念を生み、世界の景気や株高に水を差す可能性もある。

 北海ブレントの期近物は7日に一時1バレル64.65ドルと2015年6月以来の高値水準で取引された後、64ドル前後で高止まりしている。6月下旬の年初来安値(44.35ドル)からの値上がり率は、5割近くに達した。

 中東最大の産油国、サウジアラビアを軸とした一帯の政情不安が、騰勢に弾みを付けた。同国政府が有力な王子や閣僚ら数十人を拘束、レバノンをめぐるイランとの緊張も表面化した。市場では「油価にリスクプレミアムが上乗せされた状態は目先続く」(米SGHマクロ・アドバイザーズのサッサン・ガーラマニ氏)との声が聞かれる。

 地政学リスクは、地域の株式相場にも影響を及ぼしている。首相が突然辞任を表明し、サウジが自国民に退避勧告を出したレバノンでは9日、主要株価指数が15年11月以来ほぼ2年ぶりの安値水準に下落した。湾岸諸国の主要株で構成する「MSCI GCC指数」(ドル建て)は7日に約5カ月ぶりの安値水準に沈んだ。

 夏場以降、油価がじり高に転じたきっかけは、石油輸出国機構(OPEC)とロシアなど非加盟の主要産油国が18年3月を期限に進める減産の延長期待だった。10月にはロシアとサウジの首脳が、延長を支持する意向をそれぞれ表明。11月末に開くOPEC総会では減産延長を決める公算が大きく、原油相場を下支えしている。

 世界の景況感は明るさを増し、原油には需要面でも追い風が吹く。原油高はエネルギー関連企業の株価を押し上げ、世界株高の一因にもなってきた。ただ、急ピッチな原油高は原材料高を通じた物価上昇をもたらし、個人消費を冷やしかねない。主要中央銀行による金融引き締めの加速を意識させるリスクもある。

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