2017年11月18日(土)

フィンテック推進へ法律再編、金融庁が方針 審議会で検討着手 地銀には改善迫る

金融機関
2017/11/10 22:00
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 金融庁は10日、今後の重点施策を示す金融行政方針を発表した。金融とIT(情報技術)が融合したフィンテックを推進するため、既存の金融法制の再編を検討すると明記。複数の業種にまたがる規制を見直し、同じサービスに同じルールを適用するよう改める。収益が減る地方銀行への監督を強め、取引先の経営支援に取り組むよう促す。

 金融行政方針は、森信親長官が就任した2015年から年1回公表している。今回の柱は「フィンテック」、「地銀のビジネスモデルの転換」、「資産形成」の3つだ。

 フィンテックでは「業態別から機能別・横断的な法体系への見直し」を掲げた。今は銀行なら銀行法、貸金業者なら貸金業法、電子マネー業者なら資金決済法など、業態ごとに管理する法律も規制もまちまち。IT技術の進展で通貨のデジタル化が進めば、銀行以外の業者でもスマートフォンのアプリなどを使った決済手段を提供できる。

 既存の法体系では「変化に対応できず、業態をまたいだビジネスの障害になる」と指摘。「規制が原因でITを使った合理化が円滑に実現できない可能性もある」とした。金融庁は金融審議会(金融庁長官の諮問機関)を開いて検討を始める。「複数年にわたる長期プロジェクトになる」とみて、幅広く意見を募る。

 地銀の経営問題には今回も多くのページを割いた。日銀のマイナス金利政策や人口減、激しい金利競争などで地銀の収益基盤は縮んでいる。17年3月期決算では106ある地銀の過半で、貸し出しと手数料ビジネスという本業が赤字になった。

 金融庁は「持続可能なビジネスモデル」を地銀に求める。カギはコンサルタント機能の拡充だ。地元の取引先の経営改善や生産性向上にどれだけ関わっているかを数値で示す新指標を作り、公表することで地銀間の競争を促す方針を示した。

 ふくおかフィナンシャルグループ十八銀行第四銀行北越銀行のように、統合で合意しても県内シェア拡大を理由に公正取引委員会の審査が長びく事例もある。地方の金融サービス維持と、寡占による利用者への悪影響のバランスをどうとるか。サービスを維持できない金融機関をどう静かに市場から退出させるか。地方金融版の競争のあり方の検討も始める。

 貯蓄から投資への流れも後押しする。18年1月から始まる積み立て型の少額投資非課税制度(つみたてNISA)では職場単位で口座開設手続きをできるようにし、投資へのハードルを下げる。家計金融資産の6割超を持つ60歳以上の世帯の分散投資を促す必要性にも触れた。豊富な金融資産をきちんと取り崩してうまく運用するため、銀行や保険、証券業界と連携して安定した資産形成と利用者保護に取り組む。

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