2017年11月19日(日)

米法人税先送り案 共和の上院、下院と別内容

トランプ政権
経済
北米
2017/11/10 8:18
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 【ワシントン=小竹洋之】米与党・共和党の上院指導部は9日、下院とは別内容の税制改革法案を公表した。連邦法人税の税率を35%から20%に引き下げる時期は2019年とした。財政赤字の拡大を危惧する保守強硬派に配慮した。下院は18年実施を盛り込んだ別の法案を審議中で、両院の調整が必要になる。トランプ政権が目指す年内の法案成立が懸念が広がりそうだ。

9月27日、税制改革案を説明するトランプ米大統領(インディアナ州)=ロイター

 上院の案は法人税減税の1年先送りのほか、所得税減税なども含む。連邦所得税の税率区分(10~39.6%)は7段階を維持し、最高税率は38.5%に引き下げる。

 このほか州税などの支払額を連邦税から差し引ける地方税控除を全廃する一方、医療費控除や学生ローンの利子控除を維持する。

 共和党の下院指導部は税制改革法案を2日に公表済み。所得税の税率区分を7段階から4段階(12~39.6%)に簡素化する措置なども盛った。下院は9日の歳入委員会で法案の一部を修正して可決しており、11月下旬までに本会議で採決したい考えだ。

 下院案の法人・所得減税を実行に移した場合、18会計年度(17年10月~18年9月)からの10年間で財政赤字が1.7兆ドル拡大し、予算決議で定めた1.5兆ドルの上限を超えるとの試算が出ている。保守強硬派は財源の手当てが不十分だと反発しており、上院指導部は下院案を修正して同意を得る方針に傾いたもようだ。

 上下両院で成立した法案の内容が異なる場合は、両院協議会を開いて調整する必要がある。政府高官や下院指導部からは法人税率引き下げの先送りを容認する声も出ているが、都市部の下院議員が地方税控除の全廃に反発する公算が大きく、法案の一本化作業が難航する可能性もある。

 トランプ政権は約30年ぶりの抜本税制改革を年内に実現し、米経済を底上げする戦略を描いてきた。上下両院の調整に手間取り、大型減税の実行が遅れれば、市場や支持基盤に失望感が広がりそうだ。

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