2017年11月19日(日)

北朝鮮包囲網、残る濃淡 中国「対話」を堅持
米、日韓との連携は前進

トランプ歴訪
北米
2017/11/10 0:30
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 【北京=永沢毅、永井央紀】トランプ米大統領は9日、日本、韓国、中国の3カ国首脳との一連の会談を終えた。アジア歴訪の最大の課題に据えた対北朝鮮政策を巡っては、日韓と「最大限の圧力」をかけることで足並みをそろえ、カギを握る中国とも圧力継続を確認し、一定の成果をあげた。ただ、北朝鮮を核放棄に追い込む包囲網には濃淡が残り、道は半ばだ。

28兆円の商談に臨んだトランプ大統領(右)と習国家主席(9日)

28兆円の商談に臨んだトランプ大統領(右)と習国家主席(9日)

 9日、北京の人民大会堂で開かれた米中首脳会談。トランプ氏は「平和的に圧力をかける現在の努力を維持するだけでなく、もっとやる必要がある」と圧力の強化を迫った。一方、中国の習近平(シー・ジンピン)国家主席は、国連安全保障理事会の制裁決議の完全な履行を約束し、北朝鮮籍の顧客を対象に銀行口座の取引を制限する独自制裁も説明した。

 「あなたは私のためにこの問題を解決できるだろう」と求めたトランプ氏にとって、目新しい内容ではなかった。だが、米中首脳は北朝鮮が核放棄するまで制裁を継続することでは一致した。

 今回の日韓中歴訪は、北朝鮮包囲網の構築が最大の目的で、各国の連携は一定の前進をみせた。 最も強い姿勢を示したのは、最初に訪問した日本だ。安倍晋三首相と北朝鮮問題の対応で「両国は100%ともにある」と固い結束を確認した。「最大限の圧力」を加えることで合意し、安倍首相は米国による軍事的な選択肢を含め支持する姿勢を示した。

 次に訪れた韓国では北朝鮮との対話にこだわる韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領と「最大限の圧力」で一致した。文氏は韓国の同意なくして軍事行使はあり得ないと米国に警戒感を示すが、日米の結束に韓国をつなぎ留めたといえる。トランプ氏は文氏の対話路線に配慮もみせた。

 そのうえで臨んだ9日の米中首脳会談は歴訪のヤマ場だったが、米中の違いは残った。「制裁の効果が出るまでに少し時間がかかる。すぐに結果を期待できない」。習氏は一連の制裁についてこう釈明した。「時間は少ない。早く行動せねばならない」と、さらに厳しい対応を促したトランプ氏との溝は深い。

 「(朝鮮半島の非核化という)目標に相違はない。もちろん私たちには私たちなりの戦略やタイミングがある」。ティラーソン国務長官もこう認めざるを得なかった。

 核実験や弾道ミサイルの発射といった挑発行為に不快感を示すが、北朝鮮を追い詰めすぎたくないのが中国の本音だ。9月の国連決議では、日米などが強く求めた原油を含めた石油の全面禁輸にはクビを縦に振らなかった。習氏は「対話による問題解決に注力することを確認した」と表明、圧力強化に軸足を置くトランプ氏と一線を画した。

 経済制裁を柱とした「最大限の圧力」も、北朝鮮の貿易の9割を占める中国の協力がなければ画餅に終わる。「待てば待つほど危険が増し、選択肢が限られてくる」。トランプ氏の演説(8日)には危機感がにじんだ。

 会談後、米中の大手企業トップを集めた企業家対話に駆けつけた両首脳。28兆円もの商談がまとまったにもかかわらず、トランプ氏は終始、仏頂面だった。習氏の演説では腕を組み、同氏をにらみ付ける場面もあった。会談での激しいやり取りをうかがわせた。

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