2017年11月22日(水)

立体画像で再現簡単 メガソフト、交通事故や火災検証

スタートアップ
関西
2017/11/10 2:00
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 ソフトウエア開発のメガソフト(大阪市)は、交通事故や火災などの現場を立体画像で手軽に再現できるソフトを開発した。「火柱」や「車」などの画像素材を用意し、事故がどのように起きたか現場検証に活用可能な立体画像が作成できる。損害保険会社などに売り込む考えだ。ロングセラー商品に育った住宅設計ソフトの独自技術を応用し、新たなニッチ分野を開拓する。

交通事故がどのようにして起きたのか把握する際に役立つ

「火柱」などの素材があり、火事の火元などを再現できる。

 製品名は「3D事件・事故イラストデザイナー」。火元を再現できる「火柱」や交通事故を再現する際に使う「自動車」など約3千点の画像素材をそろえた。

 利用者は「ドア」や「押し入れ」などの画像素材を選択して、部屋の間取りなどを再現する。「火柱」を設置すれば、どこが火元で、どのように燃え広がったのか可視化できる。現場の見取り図などを平面図で表現するソフトはあるが、イメージしやすい立体画像で再現するのは珍しい。

 交通事故における警察の現場見取り図などでの活用を想定し、車の画像素材も豊富に用意した。車のドアはマウスなどの操作によって開閉を可能にし、車内も立体画像で表現。様々な角度から検証できるように360度で状況を確認できるようにした。車の中から運転手が見た風景を再現することも可能だ。子どもなどの飛び出しが運転手の目線から、どう見えたかなどを検証できる。

 「人物」の画像素材も乳児や幼児、大人など体形別のモデルをそろえた。手首やひじなど計38カ所を動かせ、簡単に姿勢を再現できる。

■損保や警察の利用見込む

 井町良明社長は「警察官などから現場検証で立体画像を使いたいという声があった」と明かす。09年から裁判員制度が始まり「凄惨な現場写真にショックを受ける人もいる。言葉で説明するよりも理解してもらえる」と商機を見いだした。

 損害保険会社や弁護士事務所のほか、消防署や警察署での利用を見込む。例えば、火災現場で活動した消防士は間取りや火元などを記す火災調査書類を書く必要がある。平面図よりも現場の状況を把握しやすい立体画像ソフトの需要が期待できるとみている。

 12月上旬からサンプル版の無料提供を始める。利用者から意見を集めて2年後をめどに正式版を販売する。価格は100万円以内にする方針。販売から2~3年で累計3千本の販売を目指す。

■技術者が顧客対応

 1983年創業のメガソフトは、他社があまり目を付けないニッチ市場を切りひらいてきた。96年から販売する住宅設計ソフト「3Dマイホームデザイナー」が看板商品で、販売本数は累計75万本に及ぶ。

 建築の専門知識は必要なく、誰でも簡単に住宅の間取りを再現できる手軽さが売りだ。間取り図の上に家具などを配置。ボタンを押せば、平面の間取り図を立体画像に変換できる。使える机や壁紙などの画像素材が5万点以上と豊富なことも支持されている理由だ。

 住宅ソフトは競合が多いが、他社製品は画像素材が少なく、機能が複雑で使い勝手が悪いという。井町良明社長は「立体画像を採用した住宅ソフトで目立った競合はいない」と話す。

 メガソフトの売上高(2017年8月期)は8億4千万円、従業員は38人の中小企業だが、強みとするのが顧客の声を取り込む姿勢だ。コールセンターを設けず、技術者がいる開発部門が顧客対応窓口としての役割を果たす。道路使用許可申請書に利用できる「3D工事イラストワークス」や飲食店向け「厨房プランナー」を開発してきた。

 規模が小さい市場でも、利用者の要望を積極的に取り込むことで優位な立場を築くことができる。(黒田弁慶)

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