2019年6月27日(木)

神奈川の女性活躍支援活発に 県の施策じわり効果

2017/11/10 0:00
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働く女性の活躍を支援する神奈川県の施策が効果を表し始めた。黒岩祐治知事が団長を務め、経営者らでつくる「かながわ女性の活躍応援団」は発足から2年が経過。加盟する富士屋ホテル(同県箱根町)は10月に従業員らが対象の保育園を新設、介護大手のツクイは管理職にならなくてもキャリアアップできる制度を2017年度から導入した。

富士屋ホテルは箱根湯本駅近くに従業員の子供を預かる保育園を開いた(神奈川県箱根町)

富士屋ホテルは箱根湯本駅近くに従業員の子供を預かる保育園を開いた(神奈川県箱根町)

同応援団は15年11月に発足。「女性の活躍を進めるには男性トップの意識を変えることが必要」と黒岩知事のほか、県にゆかりのある大手企業などの男性経営者20人が団員として参加する。女性の活躍を進めたい企業がサポーターとして参加する制度も始め、17年1月以降、湘南信用金庫の石渡卓理事長など16人が加盟している。

富士屋ホテルは10月、箱根湯本駅近くに保育園を開設した。同社の従業員だけでなく、近隣ホテルや旅館の従業員の子どもを受け入れる。土日祝日の出勤や不規則な勤務体系に対応しなければならない従業員のために「とにかく長く預かりたい」(同社)と、午前7時半~午後8時半まで受け入れ、年中無休とした。

各社が働き方改革や女性の
キャリアアップに力を入れる
高島屋本社や各店舗の従業員30人を対象に10月からテレワークを導入
日揮配偶者の転勤や駐在に伴い退職する社員を、退職後3年以内に再雇用する制度を4月から開始
ニッパツ2017年は8%だった新卒採用における女性比率を20年までに20%以上に
ファンケル2016年度は45.9%だった管理職における女性の比率を18年度に50%に
横浜銀行午後7時だった最終退行時刻を4月から午後6時に

ツクイは17年度から人事制度を刷新した。同社は全従業員のうち8割が女性。従来は管理職になることがキャリアアップとの考えで制度をつくっていたが、管理職にならなくても介護の現場で専門分野を深めれば昇給や昇格につながる道も用意した。従来は試験はなく、上司の推薦などで昇格していた。個人の働き方などに左右されず、昇格を客観的に判断できるよう試験や研修を必須とした。

導入の理由として同社は「家庭の都合で転勤できないといった理由で昇格を諦める女性が少なくなかった。多様なキャリアを認めてやる気の向上や離職の防止につなげたい」と説明する。津久井宏社長は「現在は正社員が対象だが、今後、非常勤職員にも広げたい」と話す。

キリンビールは子どものいない社員が、子どものいる社員の働き方を体験する取り組みを18年以降、本格的に導入する方針で検討している。残業をしない働き方や、子どもの発熱など急な呼び出しで仕事が中断される状況などを体験する「なりキリンママ」プロジェクトだ。

布施孝之社長は「労働生産性向上や多様な働き方への理解促進、出産などの将来のライフイベントに備えた予行演習になる。業績を落とさずに残業を大幅に減らせると実証できた」と説明。一部で試験導入していたが、キリンビールやキリンビバレッジなどの営業職が男女問わず取り組む方針で検討している。

県は女性活躍に取り組む企業の増加や女性のキャリアアップのために、応援団の活動に参加する企業が講師を務める啓発講座などを増やしている。17年度は16年度より5回増やし、13回開く予定だ。

応援団のアドバイザーを務める21世紀職業財団の岩田喜美枝会長は「様々な取り組みが広がっているが、長時間労働については成果はまだほとんどの企業で不十分ではないか」と指摘する。「女性活躍には働き方改革が本丸。引き続き取り組みを進めてほしい」と述べた。

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