2017年11月20日(月)

シーメンス、火力事業縮小 再エネシフトで受注3割減

自動車・機械
ヨーロッパ
2017/11/9 18:58
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 【ミュンヘン=深尾幸生】独シーメンスは9日、主力の火力発電機事業の縮小を検討していることを明らかにした。世界的に進む再生可能エネルギーへのシフトで受注が減っているため。リストラで市場規模にあった体制に変え、高い利益率を維持する狙いだ。

 同日発表した2017年9月期決算では、同事業の受注が31%減った。工場のデジタル化部門やヘルスケア部門の好調で、売上高が前期比4%増の830億4900万ユーロ(約10兆9400億円)、純利益は11%増の60億4600万ユーロとなるなか、火力発電機事業の不振が目立つ。

 ミュンヘンの本社で開いた年次記者会見でジョー・ケーザー社長は「デジタル時代に備えることに成功し強くなっている。ただしいくつかの事業では構造的な問題に対処する必要がある」と述べた。

 その筆頭が電力・ガス部門だ。全社の売り上げの約2割を占める最大部門で長く収益の柱だったが、17年度は受注・売り上げ・営業利益の全てが前年度を下回った。

 詳細は11月16日以降に発表するとしているが、ドイツ東部を中心に複数の工場で人員削減を実施する見通しだ。同部門は4万7千人の従業員を抱え、うち1万6千人がドイツ国内だ。過去3年間で2基しか大型タービンの受注がなかったドイツでは工場閉鎖に踏み切る可能性もある。

 背景にあるのは、火力から太陽光・風力など再生可能エネルギーへのシフトだ。国際エネルギー機関(IEA)によると、16年の世界の石炭火力への投資決定は4千万キロワットと、11~15年平均の半分にとどまる。その前の5年間との比較では3分の1以下と縮小傾向が止まらない。

 ケーザー社長は「痛みを伴っても生産能力を適正化しなければならない。今がそのときだ」と影響が深刻化する前に手を打つ必要を強調した。だが、9日は抗議活動のため、本社前に労働組合が集まった。政治家も反発しており、リストラは難航も予想される。

 もう一つの懸念材料はスペイン大手のガメサと事業統合した風力発電機部門。17年度の営業利益は27%減り、6千人の人員削減を決めた。市場は拡大しているが、価格競争が激しいためだ。

 シーメンスは18年度の業績見通しを指標としている産業部門の営業利益率で11~12%になるとした。17年度は11.2%だった。エネルギーシフトのうねりのなかで高収益を維持できるかケーザー社長の手腕が問われる。

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