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苦境の大塚家具 「かぐや姫」社長に光はさすか

大塚家具の大塚久美子社長

経営方針を巡り、創業者の父親と現社長の娘が対立して「お家騒動」に発展した大塚家具。業績は悪化の一途をたどっている。2017年1~9月期の営業損益が40億円の赤字(前年同期は37億円の赤字)になった。このため貸会議室運営のティーケーピー(TKP)から10億円の出資を受け業務提携する。大塚久美子社長は「来期は黒字化する」と強気の姿勢を崩さないが、市場は懐疑的。他社による買収説も浮上する。一方で父親の大塚勝久前会長は独自に高級家具店「匠大塚」を立ち上げ、次々店舗を開設、今やライバル企業だ。「かぐや姫」久美子社長に光がさす日は来るのか。

TKPとの提携、「違和感」の声も

11月初旬、人であふれかえる東京ビックサイトで開催された「東京モーターショー」の帰りに、近くの大塚家具の旗艦店「有明本社ショールーム」に立ち寄ったが、顧客は多くはない。上品で、高価格帯の家具が並ぶが、かつてのように顧客と販売員が熱心に交渉している様子はほとんど見られなかった。

「もう大型店至上主義は通用しませんから。TKPと連携することで店舗の無駄がなくなる。店舗と会議室をうまく連携して相乗効果を上げたい」。11月6日の決算会見で、久美子社長はTKPとの資本業務提携について、こう語った。店舗の空いたスペースを会議室として活用するという。ただ、市場関係者は「大塚家具を巡っては家具大手による買収説が浮上している。他業態のTKPとの業務提携には違和感がある。抜本的な再建策とはほど遠い。店が余剰なら縮小したり、閉鎖するしかない」(証券アナリスト)と見方は厳しい。

久美子社長が父親の勝久前会長と、経営路線などを巡り激しく対立したのが15年。株主総会での委任状争奪戦の末に続投したが、久美子社長の改革は成果を上げていない。元幹部は「社長はかなり厳しく社員を指導してきましたが、業績回復につながらない。最近は、弱音も吐く時もあるそうです」という。

16年12月期には45億円の営業赤字に転落。今期もほぼ同水準の営業赤字を見込む。6日の決算では「来期は黒字を見込むが、来年2月に説明する」と久美子社長は多くは語らない。

一橋大時代、ケインズ経済学に没頭

家具店浮上への道筋は……

久美子社長は兄姉の中で飛び抜けて成績がよく、名門の白百合学園高校から一橋大学経済学部に進み、「ケインズを好きになってしまって」と経済学に没頭。大学院進学も考えたが、当時としては珍しい女性総合職として富士銀行(現みずほ銀行)に入行した。

家業に興味はなかったが、「何かにつけて父に頼りにされて。困ったときにお前がやってくれ」と口説かれて大塚家具を入社し、経営を担った。

久美子社長はメディアのインタビューに答えるときには一つ一つ言葉を慎重に選び、冷静に話すが、時には戸惑いの表情も見せる。「経営者タイプというよりもコンサルタントという感じですね。報道関係者への対応は丁寧だが、社員には感情的になる面もある。やはり解が見えず、戸惑っているのかもしれない」と元幹部は話す。大塚家具の「かぐや姫」と呼ばれた久美子社長。まだ闇のなかで戦っているようだ。

(代慶達也)

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