2017年11月22日(水)

大阪都構想、初期コストは300~700億円 府・市試算

総合
関西
社会
2017/11/9 10:08
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 大阪市を廃止して市内24区を4または6の特別区に再編する「大阪都構想」について、大阪府・市は9日、庁舎整備費などの初期費用が302億~768億円に上るとする試算を公表した。各区の財政収支は、導入から7年~11年後に安定的な黒字になると算出。初期の投資額、その後の維持経費ともに、4区とする計画が6区よりも低く抑えられるとの結果が出た。

 都構想の区割りを巡り、府市は4区と6区のいずれも、隣接する現行区の組み合わせ方によって各2案ずつの計4案を提示。今回の試算結果などを検討材料に、都構想の制度設計などを議論する法定協議会(法定協)で今後1案に絞り込む。

 4区は隣接する5~7つの区を組み合わせ、6区は3~5つの区をまとめた構成。府市は4区とする計画のうち、人口や税収の均衡を重視した組み合わせをA案、防災対策などに重きを置いた構成をB案とした。6区も同様にCとDの2案に分けて法定協に示している。

 府市は特別区を導入した場合、区役所の庁舎整備やシステム改修などで多額の費用が発生する初期コストについて、府と特別区とで分担する事務内容や職員の体制に基づき計算した。

 最も費用が抑えられるのは、A案を採用した上で新庁舎を賃借する302億円。最も高いのはD案を選択し庁舎を新築する768億円となった。2015年5月の住民投票で否決された前回都構想では、600億~680億円が必要となっており、A案のコストは、この半分から3分の2程度に収まる見通し。

 区役所の管理やシステム維持のための運用経費も試算し、4区の2案では費用が年間39億~48億円だったのに対し、6区の2案は同52億~60億円だった。

 こうした結果を基に、特別区への移行が想定される22年度から15年間の財政収支の推移を計算したところ、4区の2案は29年度に、6区の2案は32年度以降に黒字に転じるとした。導入当初のコストは膨らむが、府市の業務統合などによる経費抑制で財政運営が安定するとしている。

 試算結果では、庁舎数が少なく人員や業務の集約に重点を置く4区の2案の経費削減効果が目立った。一方で6区の2案には、住民により近い目線で行政サービスを提供できるとの長所も、かねて指摘されている。

 府市は11月下旬にも開く予定の次回法定協で、市を維持したまま市内24区を再編する総合区制度と併せ、制度の利点や具体的な課題の議論を進めていく方針。

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