2017年11月21日(火)

AT&TにCNN売却要請 米当局、ワーナー買収巡り
複合メディア戦略に暗雲

トランプ政権
ネット・IT
北米
2017/11/9 8:40 (2017/11/9 11:07更新)
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 【ニューヨーク=稲井創一】米通信大手AT&Tによる米メディア大手タイムワーナー買収を巡り、米司法省がワーナー社傘下のニュース専門局CNNの売却を要求していることが8日、明らかになった。AT&Tは米司法省の要求に反発しているという。通信と放送の垣根を越えた複合メディアへの転換を目指すAT&Tの戦略に暗雲が垂れこめている。

 AT&Tのジョン・ステファンズ最高財務責任者(CFO)は8日午前、ニューヨークでのイベントで「(当局との話し合いについて)詳しく話せないが、ディールが完了する時期に不透明感が出ている」と発言した。

 2016年10月にAT&Tは約854億ドル(当時のレートで約9兆円)でワーナー買収を発表。当局の承認時期は想定より遅れているが、作業は順調に進んでいるとしていただけに、8日の買収の行方を不安視した発言に欧米メディアは一斉に反応した。

 8日午後、英紙フィナンシャル・タイムズ(FT)が米司法省がCNN売却を買収承認の条件としていると速報。その後米紙ニューヨーク・タイムズは「CNNだけでなく衛星テレビ大手ディレクTVの売却も要請している」と報じた。

 AT&Tのタイムワーナー買収を巡っては、トランプ米大統領が選挙期間中に「巨大権力の集中だ」として、政権を取った折に承認しない考えを示していた。

 大統領就任後はAT&T買収について目立った発言をしていなかったトランプ氏だが、17年9月にトランプ氏の政権移行チームの一員だったマカン・デラヒム氏が司法省反トラスト局長に正式に就任。11月に入り、司法省がAT&Tに対して反トラスト法に基づく訴訟を検討していると複数メディアが報じていた。

 トランプ氏は政権と対決姿勢を鮮明にするCNNを「フェイクニュース」と度々批判していた。今回の司法省のCNN売却要請は、トランプ氏の意向の有無を含めてさまざまな臆測を呼んでいる。米司法省は一連の報道について「(買収を巡る)懸念を解決するのは多くの方法がある。対話は続いている」などとコメントしている。

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