2017年11月24日(金)

改憲論議なお「多難」 自民、細田新体制で再始動

政治
2017/11/9 23:00
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 自民党が衆院選で中断していた憲法改正論議を再始動させる。憲法改正推進本部(細田博之本部長)は来週に全体会合を開き、改憲案づくりを加速する方針だ。10月の衆院選では改憲を公約に掲げ、与党で再び国会での改憲発議に必要な3分の2以上の議席を得た。ただ党内や公明党との調整はなお不透明。野党第1党が9条改正に消極的な立憲民主党になった影響も無視できず、改憲実現の前途はなお多難だ。

 新たに改憲本部長に就いた細田氏は8日、党本部で改憲本部の根本匠事務総長、岡田直樹事務局長らと協議。1票の格差を是正するため昨年の参院選で導入した「合区」の解消をテーマに、衆院選後初の全体会合を来週に開くことを決めた。

 細田氏は協議後、記者団に「憲法改正は国家全体の問題だ。自民党主導型でどうこうではない」と述べ、他党との話し合いを重視していく姿勢を強調した。

 自民党には衆院選で「改憲が国民の信任を得た」として改憲論議の加速を求める声がある。衆院選後、安倍晋三首相に近い衛藤晟一首相補佐官は「天の時を得た」と強調。萩生田光一幹事長代行も7日の記者会見で、党改憲案の2018年の通常国会での提出をめざす考えを示した。

 衆院選の結果、改憲実現が近づいたようにみえるが、実際には前途の多難さは変わらない。

 第1の関門は、自民党内の意見集約だ。首相は憲法9条の1項と2項を維持したまま自衛隊を明記する案を掲げるが、戦力不保持を定めた2項と整合性がとれないとの反対論がある。くすぶる首相批判などを背景に「議論は収れんしていない」(石破茂元幹事長)などと拙速な議論をけん制する声もあがる。

 自民党内がまとまっても、他党を含めた改憲勢力が一枚岩となれるかは不透明だ。連立を組む公明党は自民党が重視する9条改正には慎重意見が根強い。

 野党ながら改憲勢力と位置づけられる希望の党では、早くも改憲へのスタンスが揺れる。共同代表選に出馬した玉木雄一郎氏は8日の記者会見で「公明党を入れた与党でどうまとめるのか全く分からない」と指摘。大串博志氏も「スケジュールありきの議論に違和感を覚える」と批判した。

 衆院選で衆院の野党第1党となった立憲民主党の存在も影響しそうだ。改憲案を議論する憲法審査会の開催日程などの協議は与野党の第1党が担う。だが立憲民主党は民進党出身のリベラル系議員が中心となって立ち上がったため護憲色が強い。枝野幸男代表は衆院選の結果について「9条を改悪してよいと白紙委任したものではない」と首相にクギを刺している。

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