「夢の素材」で革新起こせ
論説委員 志田 富雄
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今世紀に入って急速に普及し、東レ、帝人、三菱ケミカルといった日本企業のグループが高いシェアを握る素材に炭素繊維がある。
鉄の10倍の強さを持ち、重さは4分の1という炭素繊維は、半世紀以上も前から「夢の素材」といわれた。普及を阻んだのは鉄とは桁違いの価格の高さと加工の難しさだ。だが、原油高騰が航空機などへの利用に弾みをつけた。
米ボーイング社が開発した787型機は1機あたり推定35トンの炭素繊維素材(CFR...
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