2018年11月15日(木)

19年新卒採用はや過熱 企業「気が休まる時がない」

2017/11/8 14:58
保存
共有
印刷
その他

人材獲得競争の激化を背景に、企業の採用活動が実質的に通年化している。2018年春入社予定者の内定式が10月に終わったばかりだが、多くの人事担当者は19年春に卒業する学生向けの秋・冬のインターンシップ(就業体験)の準備に追われている。一部の外資系企業では19年新卒の選考作業に入っており、年内にも内定や内々定を得る大学3年生が登場する見通しだ。

■インターン隠れみのに学生に接触

企業の学生囲い込み競争は激化している(17年3月の就職合同説明会の様子)

企業の学生囲い込み競争は激化している(17年3月の就職合同説明会の様子)

「気の休まる時がない。胃に穴が開きそうだ」。中堅化学企業の新卒採用担当者はこうこぼす。18年新卒採用で獲得できた人数は当初計画を1割ほど下回った。やっとの思いで集めた人材だけに、来春までに内定辞退者が出ないか心配だ。経営トップからは「19年新卒採用は増やせ。今年のように計画を下回るな」と厳命されている。学生を集めるためインターンシップに工夫を凝らしたいが、業績堅調があだとなって「忙しいから、これ以上は仕事を増やさないでくれ」と非協力的な部署が多数あるという。

就職情報大手のマイナビ(東京・千代田)が8日発表した調査では、19年新卒の採用活動について企業の73.3%が「18年卒の採用より厳しくなる」とみていることがわかった。新卒採用の実績がある企業を対象に9月4日から10月3日に調査し、全国の2238社から回答を得た。19年卒の採用数を18年卒より「増やす」と答えた企業は18%で、「減らす」(9.3%)の2倍近くに上った。

焦る企業は学生の囲い込みを急ごうとしている。経団連が打ち出している19年新卒の採用スケジュールは基本的には18年新卒と同じで、3月1日が広報開始、選考開始が6月1日だ。ただ、多くの企業は「採用とは直接は関係しない」という建前でインターンシップやワンデーインターン(1日だけの就業体験)を開催し、学生と接触を図っている。

このインターンシップの申し込みは、今がまさにピークだ。マイナビの就職サイト「マイナビ2019」で検索すると、8日昼時点でインターン実施予定の企業数は6123社。開催時期は重複もあるが11月が2816社、12月が3418社、1月が3546社となっている。同じく就職情報のリクナビのサイト「リクナビ2019」では、6632社がインターン実施と登録し、11月に1920社、12月に2707社、1月に2659社が開催するとしている。

■外資系・コンサルすでに本番

ただ、これらは経団連の「採用選考に関する指針」を順守しようとしている企業の取り組みだ。経団連に所属しない企業は一般的なスケジュールに縛られずに採用活動をしており、特に外資系企業は既に本番モードだ。

コンサルティング大手のマッキンゼーやアクセンチュアの日本支社は現在、19年度新卒選考の応募をネット上で受け付けている。ゴールドマン・サックス・グループは9月から10月の間に就活イベントでの会社説明会を終えており、今後はインターンシップとオープン・デーで採用活動を進める。

P&Gは近く19年新卒を対象とした秋冬選考を始める予定で、ネットを通じた応募は11月9日正午が締め切りとなる。

アマゾンジャパンはエントリーシートを受け付け中で、締め切りはコンシューマー部門が18年1月9日、オペレーション部門が18年3月19日だ。グーグルやツイッターは必要とする人材を通年で選考しており、新卒採用というくくりがほとんどない。業務によっては他社での職務経験や資格が求められてる。

今起きているのは「余裕のあるスケジュールを組んで、学生には学問に取り組んでもらう」との経団連の方針とは逆の現象だ。人手不足が続き続く限り、企業も学生も余裕のないスケジュールで動かざるを得ない。過熱する就活最前線では、冷静さを失わずに情報を集めることがまずは大切だ。

(石塚史人、桜井豪)

今なら有料会員限定記事もすべて無料で読み放題

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報