2017年11月22日(水)

インテル、11mm厚のノートも可能な新プロセッサー

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BP速報
2017/11/8 18:00
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日経テクノロジーオンライン

 米Intel(インテル)は、高性能向けノートパソコン向けMPU「第8世代CoreプロセッサーHシリーズ」(以下、Core-H)の新仕様を発表した。第7世代のCore-Hではノートパソコンの平均的な厚さは26mmだったが、新仕様に沿う第8代のCore-Hを使うことで厚さを16mm以下に、11mmの薄さも可能だという。

MPU、GPU、DRAMを1パッケージに。Intelのイメージ

MPU、GPU、DRAMを1パッケージに。Intelのイメージ

 11mmまで薄くできるのは、同社の2.5次元パッケージング技術のEMIB(Embedded Multi-Die Interconnect Bridge)を使って、MPUダイ、GPUダイ、3次元実装DRAM(HBM2)を1つのパッケージ基板に載せるためである(以下、これらを3種のダイ、と呼ぶ)。EMIBは複数の小型シリコンインターポーザーを使う2.5次元パッケージング技術で、1つの大型のシリコンインターポーザ―を使う従来型の2.5次元パッケージング技術に比べて低コストでかつ製造工程が簡便にできる特徴がある。

 この新仕様が発表された際には、さまざまなメディアが騒いだ。IntelのMPUにもかかわらず、GPUダイが米Advanced Micro Devices(AMD)製だったからだ。このGPUはAMDのRadeonをIntel向けにカスタマイズしたもので、両社が共同で開発したという。あるメディアでは、競合2社が歴史的な和解とか、米NVIDIA対抗で手を組んだ、などと書かれている。

 確かにx86プロセッサーICのメーカーとしてIntelとAMDは競合しているが、PC向けのICメーカーとしては同じ悩みをかかえる。スマートフォンなどのモバイル機器に押されて、PCの需要はここ何年も漸減している。PCの需要を少しでも回復しようという思惑が一致し、呉越同舟したということだろう。実際、ゲーム向けPCでは、これまでもIntelのMPUとAMDのGPUを組み合わせて使われている。

 これまでは別々のパッケージだったが、今回1つのパッケージに収めることで、薄いゲーム機向けPCが実現できる。Intelの利益の源泉は、PC向けCoreではなくサーバー向けXeonにある。Core関連で少々の譲歩をしたところで、実害はほとんどないだろう。

 上述したように、今回のRadeonはIntel向けにカスタマイズされている。カスタマイズが必要なのはEMIB対応という理由のほかに、3種のダイの電源系を一括管理するためである。高性能なMPUやGPUでは温度や負荷などに応じて、電圧や動作スピードなどを調整することが行われている。CoreとRadeonの両者を最適に連携させるための仕組みが、カスタマイズによってRadeonに盛り込まれた。

 今回の発表では、3種のダイの個々の仕様は明らかになっていない。2018年第1半期中にこれらの情報や、採用する主なPCメーカーなどを発表する予定だという。

(日経テクノロジーオンライン 小島郁太郎)

[日経テクノロジーオンライン 2017年11月7日掲載]

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