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日銀流「おもてなし」に応える海外マネー

日本株市場は海外からのインバウンド需要に沸いている。いまや日本は先進国中でダントツの「金融緩和国」。さらに株価が下がれば、日銀による買い支えが期待できる。受け入れホスト国としての「おもてなし」態勢も申し分ない。日本人は慎み深いから、自ら日本株というごちそうに手を出さず、海外からのお客様にまず味わっていただく。

「世界のマネーのホット・スポットはジャパンだ」。噂を聞きつけた外国人投資家たちが続々、日本詣でに集合中だ。年末にかけ、恒例の海外投資家向け日本株セミナーには例年をかなり上回る参加が予想される。筆者も米年金基金の招待で、西海岸での日本株勉強会に参加してきた。日本企業の業績改善という「錦の御旗」があるので、基金内でも稟議(りんぎ)に基づくコンセンサスがまとまりやすい状況だ。国際リスク分散運用の視点から、日本株、欧州株、新興国株と比較検討する様をみていると、グローバルなマネーが日本に流れ込んでいることを実感する。

先べんをつけたヘッジファンドたちの日本株買いも、依然強気のスタンスが目立つ。いまや「安値圏」となった日経平均が2万円前後で仕込んでいるので、心理的余裕が感じられる。利益確定売りは急がず、さらに買い増すチャンスをうかがうファンドも少なくない。

「せっかくミスタークロダが催してくれた流動性パーティーだから、ありがたく参加させていただこう。ただ、いつ何時、ミスタークロダが中締めの挨拶に登壇するかもしれない。パーティー会場の奥までは行かず、いつでも抜けられる出口近くに陣取ろう」

YCC(イールド・カーブ・コントロール)の水準引き上げ、上場株式投資信託(ETF)購入枠の変更、などの「中締め」の可能性には常に敏感である。対照的にメディアに流れる日経平均予測などには関心が薄い。特に日経平均の目標ターゲット水準は設けず、行けるところまで行くという姿勢だ。まさにトレンド・フォローである。

いずれ調整局面も不可避だろうが、総じて海外投資家の日本株買いの第2波が視野に入る。

豊島逸夫(としま・いつお)
豊島&アソシエイツ代表。一橋大学経済学部卒(国際経済専攻)。三菱銀行(現・三菱東京UFJ銀行)入行後、スイス銀行にて国際金融業務に配属され外国為替貴金属ディーラー。チューリヒ、NYでの豊富な相場体験とヘッジファンド・欧米年金などの幅広いネットワークをもとに、独立系の立場から自由に分かりやすく経済市場動向を説く。株式・債券・外為・商品を総合的にカバー。日経ヴェリタス「逸's OK!」と日経マネー「豊島逸夫の世界経済の深層心理」を連載。
・公式サイト(www.toshimajibu.org)
・ブルームバーグ情報提供社コードGLD(Toshima&Associates)
・ツイッター@jefftoshima
・業務窓口はitsuo.toshima@toshimajibu.org

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  • 出版 : 日経BP
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