2019年9月15日(日)

物材機構、「分子の車」を精密操作 手法を考案

2017/11/7 22:00
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物質・材料研究機構(茨城県つくば市)は分子でできた超微細な車「ナノカー」を精密に操作できる手法を考案し、米化学専門誌「ACSナノ」(電子版)で発表した。特定部位に電気を流すと、折り曲がったり前進したりした。外部エネルギーで形が変わるやわらかい分子はこれまで制御が難しかった。ナノレベルで動きを制御する「分子機械」の技術の向上につながり、医療分野などへの応用が期待される。

物材機構のナノカー(同機構提供)

物材機構は酸素と炭素、水素の原子を組み合わせて全長約2ナノ(ナノは10億分の1)メートルのナノカーをつくった。ビナフチルという分子2個を単純な構造をした別の分子でつないだ。電気を流すと左右の構造が振動する。

電気は特殊な顕微鏡の探針から流す。平たいナノカーの端の特定部位に電気を与えると、その逆側が折り曲がるように変形した。中心部のそばに電気を流すと、ナノカーが一定方向に0.29ナノメートルずつ前に進んだ。

4月にナノカーが走る世界初の国際大会が開かれ、物材機構のチームは考案した手法を使い参加。レース開始直後に1ナノメートル走ったが、コンピューターの不具合でナノカーが壊れ、途中棄権した。

分子機械は体内で狙った場所に薬剤を運ぶ技術や、治療を目的とした微小ロボットなどでの応用が期待されている。実現には分子機械を自在に操れる技術が不可欠だ。

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