JR北、16年度に7割超の線区で営業赤字拡大

2017/11/8 0:00
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JR北海道は7日、2016年度(17年3月期)の線区別収支状況を公表した。道内28線区(新幹線含む)のうち7割超にあたる21線区で営業赤字が拡大。全線区の赤字総額は15年度比27%増の525億円だった。16年3月に開通した新幹線や、同社が昨年11月に単独では維持困難として公表した13線区の多くでも赤字増となっていて、同社の抱える厳しい収支の実態が明らかになった。

記者会見するJR北の小山専務(7日、札幌市)

同社が以前公表した14年度分、15年度分に続き3年連続で全線区で営業赤字となった。線区別で赤字額が最も大きかったのは函館線の函館―長万部間(147.6キロメートル)で、前年度比12%増の55億8600万円。北海道新幹線の利用者が流れ込んで収入が伸びたが、線路などの修繕費の増え、赤字が拡大した。

札沼線の桑園―北海道医療大学間や函館線の札幌―岩見沢間など札幌近郊の4線区の赤字が54億6700万円で続いた。訪日外国人を中心に新千歳空港の利用者が増えたのが後押しして増収となったが、老朽化した高架橋や線路の修繕費などがかさんだ。同4線区は輸送密度(1キロメートルあたりの1日の平均輸送人員)が1万7000~4万6000人と道内では比較的利用者の多い線区だが、営業費用の増加で前年度比2.5倍と赤字が大幅増となった。

北海道新幹線も開業1年目で厳しい結果となった。新青森―新函館北斗間(148.8キロメートル)で営業赤字は54億600万円だった。新幹線の利用により116億円の収益があったが、青函トンネル内の線路の維持や車両基地の整備などで170億円の費用が発生した。小山俊幸専務は「新幹線は輸送力が大きく、もっと多くの顧客に函館や道内全体に行ってもらうことで収支改善が図れる」と今後に期待した。

JR北が昨年11月に単独では維持困難として公表した13線区でも半数超にあたる7線区で営業赤字が悪化した。赤字額が最大だったのは石北線の新旭川―網走間で前年度比9%増の39億円となった。昨年8月に発生した台風被害による長期運休で鉄道運輸収入が減ったほか、代行バスの運行費用が膨らんだためだ。

13線区のうちJR北が廃止を検討している札沼線の北海道医療大学―新十津川間(47.6キロメートル)は赤字が4%増の3億6700万円だった。留萌線の深川―留萌間(50.1キロメートル)と根室線の富良野―新得間(81.7キロメートル)は利用増や維持費の減少で収支が改善した。

100円稼ぐためにかかる費用(営業係数)は全線平均で166円。廃止方針の3線区のうちの2線区が上位を占め、根室線が2636円と最大で、札沼線の2609円が続いた。輸送密度が札沼線(66人)、根室線(106人)といずれも200人未満で利用者減が進行しているのが理由だ。全体でも輸送密度が前年度と比べて減っている線区が多い。JR北が公表している「単独では維持困難な線区」の議論の行方にも影響しそうだ。

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