2017年11月22日(水)

九州豪雨被災地 掘り起こさず「全損」扱いで復旧加速

科学&新技術
BP速報
2017/11/8 6:00
保存
共有
印刷
その他

日経コンストラクション

 国土交通省は、2017年7月に発生した九州北部豪雨の被災地の復旧を加速するため、土砂などに埋まった河川や橋を掘り起こして状況を確認しなくても、災害査定で「全損」と見なすように運用方法を見直した。被災した複数の箇所を1区間としてまとめて復旧する「一定災」の制度も積極的に活用する。国交省は10月30日、被害の大きかった福岡県と大分県に通知した。

大量の土砂や流木で広範囲にわたって埋まった福岡県の河川。左が白木谷川で、右が赤谷川(写真:国土交通省)

大量の土砂や流木で広範囲にわたって埋まった福岡県の河川。左が白木谷川で、右が赤谷川(写真:国土交通省)

 九州北部豪雨では、大量の土砂と流木が道路や河川などを埋め尽くす被害が多発した。自治体が国から災害復旧事業の負担金や補助金を受けるには、被災状況を確認して査定を受ける必要がある。しかし、被害は大規模で広範囲にわたっており、掘り起こして確認するには時間がかかる。なかには土砂を運搬する仮設道路を敷設しなければならない箇所もある。

 そこで国交省は、福岡と大分の両県では、掘り起こさずに全損と見なして査定できるようにした。県は全損として補助金などを前提とした予算を計上し、後で精算する。国交省は、両県の災害査定を2017年内にも終わらせる考えだ。

一定災を適用する河川堤防の被災状況のイメージ。茶色い部分が点在する被災箇所。一定災では被災していない箇所も含めて1区間として計画を定めて復旧する(資料:国土交通省)

一定災を適用する河川堤防の被災状況のイメージ。茶色い部分が点在する被災箇所。一定災では被災していない箇所も含めて1区間として計画を定めて復旧する(資料:国土交通省)

 被災箇所をひとつながりの区間にまとめて復旧する一定災の制度も積極活用する。一定災は、被災箇所が点在した河川で元の形に復旧することが適当でない場合に、被災していない箇所も含めて拡幅改良する際などに活用されてきた。この制度を土砂や流木に埋まった箇所を全損と見なした河川にも適用できるようにする。

(ライター 山崎一邦)

[日経コンストラクションWeb版 2017年11月7日掲載]

保存
共有
印刷
その他

電子版トップ

関連キーワードで検索

豪雨被災地国土交通省

日経BPの関連記事



[PR]

日本経済新聞社の関連サイト

日経IDの関連サイト

日本経済新聞 関連情報