2018年12月16日(日)

コメ兵、メルカリに挑む 鑑定付きのフリマアプリ参入

2017/11/7 14:15
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ブランド品リユース最大手のコメ兵は7日、スマートフォン(スマホ)で利用者同士が品物を売買できるフリーマーケット(フリマ)アプリに参入したと発表した。中古ブランド品に特化し、同社による鑑定機能を付ける。出品された品物に「お墨付き」を与えることで高額でも安心した取引が可能になる。急速な成長が続くフリマ市場で、最大手のメルカリ(東京・港)に挑む。

石原卓児社長(写真中央)は「信頼できるリユース文化を創造していく」と話した

アプリ名は「KANTE(カンテ)」。売りたい品物があれば写真をスマホで撮影して、最短1分で出品ができる。ブランド品に特化しており、価格の設定は1万円以上からとした。コメ兵は決済を仲介して売り上げの一部を得る。販売価格が5万円未満であれば15%、5万~10万円未満が12%、10万円以上で10%となる。

最大の目玉は鑑定機能だ。購入者は、売買が成立する際にコメ兵に商品を一旦送り、鑑定してから手元に届けるというオプション「KOMEHYO カンテイ」を選択できる。鑑定機能を備えることで、高額な品物でも安心して取引ができるようになるという。鑑定時に正規品と判断されなかった場合は、購入がキャンセルされる。鑑定オプションを選ばない場合は、値段が購入金額より2%安くなる。年間140万点以上の買い取り実績をデータベース化してきたノウハウを生かす。

石原卓児社長は「ネット上の取引ではニセモノが届いた、トラブルがあったなどの問題が多く起こっている。コメ兵の鑑定力でこうしたトラブルを減らしていく」とサービスへの自信を示した。

早く現金化したいというニーズにも応える。数カ月たっても売り手がつかなかった場合はアプリから連絡が届き、利用者が希望すればコメ兵が買い取る。実店舗を持つコメ兵ならではの強みだ。「1品ずつではなく、まとめて売りたい人も出てくる。最終的に買い取りの量も増やせる」(石原社長)

中古流通の雄であるコメ兵が今、フリマアプリに挑むのには、同市場にはまだ「死角」が残っていると判断しているためだ。

フリマアプリの最右翼はメルカリ。楽天カカクコムなどの参入でメルカリと競う企業は広がっているが、月間流通額で100億円をゆうに超すメルカリの「1強」は依然変わっていない。

リユース専門誌のリサイクル通信によると、ブランド品市場は2012年の1774億円から15年には約2400億円と3年で35%伸びた。15年のフリマアプリなどの個人間取引は前年比14.8%増と好調だった一方、ネットを除く買い取り店舗型の売買は0.4%減となった。メルカリがコメ兵の牙城だった中古流通市場を侵食している構図は鮮明だ。

そのメルカリも17年8月、ブランド品に特化した姉妹アプリ「メルカリ メゾンズ」を配信している。バッグや財布の画像を投稿すると、ブランド名やシリーズ名を自動で特定する機能がついており、出品の手間が軽減できるのが特長。アプリ画面で指定された角度で順番に撮影していくと、AI(人工知能)が解析する。実際の相場と照らし合わせ、売れやすそうな価格も表示してくれる。

メルカリの小泉文明社長は「テクノロジーの進化で、ある程度の真贋(しんがん)の判定はできるようになる。購入後の返金は保証している。ユーザーにとって大事なのは品ぞろえ」と強調する。だが、出品商品が本物かどうか「お墨付き」を与えられるわけではない。

コメ兵が実施した消費者アンケートでは、ネットでブランド品を買うことに不安があると答えた人は約7割にのぼったという。コメ兵は創業70年あまりで培った鑑定ノウハウで、ネット上では抜け落ちたたままの消費者ニーズに応えられるサービスを提供できるとみる。

コメ兵は中国人など訪日客の「爆買い」消費が一巡して以降、店舗集約を進めてきた。フリマアプリを契機に実店舗だけではなく、ネットの世界でも足場を築き、再起を図りたい考えだ。

(沖永翔也)

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