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東京オリパラ開催の意味を改めて考える
編集委員 北川和徳

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2017/11/8 6:30
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 東京五輪・パラリンピックの開幕まで1000日を切った。3年後の夏には、東京で世界のアスリートたちによるスポーツの祭典が始まる。2017年の各競技の世界選手権で日本の若者たちが大活躍する姿を見ると待ち遠しいとは思うのだが、正直言って不安な気持ちもある。巨額の資金を投じて開催する宴が終わった後、この国に期待される変化は起きているのだろうか。節目を機会に改めて20年の日本で五輪・パラリンピックを開催する意味を考えてみた。

1カ月の大会に1兆4000億円?

東京五輪開幕1000日前イベントで披露されたバスケットボール3人制のデモンストレーション(10月28日、東京・日本橋)

東京五輪開幕1000日前イベントで披露されたバスケットボール3人制のデモンストレーション(10月28日、東京・日本橋)

 20年五輪は7月22日から競技が始まり、24日が開会式、8月9日に閉幕する。パラリンピックは8月25日から9月6日まで。両大会合わせて会期は32日間。開催に伴う経費は大会組織員会の試算では現時点で約1兆4000億円とされている。

 当然、こんな意見がある。「たかだか1カ月間のスポーツ大会にこんな大金をかけるなんて」。しかも、試算は大会開催のための直接的な経費を積み上げた数字にすぎない。ここに含まれない全国の警備強化など間接的経費まで考えれば、さらに莫大な公的資金が32日間のスポーツ大会のために投じられる。無駄遣いと批判されるのは仕方がないことなのか。

 申し訳ないが、その見方には賛成できない。確かに無駄な部分は徹底的に精査して最小限に抑える努力は必要だ。だが、大前提として、五輪・パラリンピックを「ただのスポーツ大会」とするのは誤っていると思う。

 「いまさら日本の東京で五輪を開催する意味などない」。東京が06年に2度目の五輪招致に乗り出したとき、自分もそう考えていた。それが変わったのは、地方支局に勤務し、人口が減り続け、同時に高齢化が進む地方の姿を目の当たりにしてからだった。やがてこれが大都市にも広がり、日本全体が直面する深刻な問題になることは容易に想像できた。

 人口減と高齢化。おまけに国と自治体の借金は増え続けている。このままだと日本の社会はゆっくりと機能不全に陥るのだろう。

17年の訪日外国人は2900万人に迫りそうだ(9月15日、京都駅前)=共同

17年の訪日外国人は2900万人に迫りそうだ(9月15日、京都駅前)=共同

 人口減に対しては、国を開いて世界中からたくさんの人々に来てもらうことが対応策の一つとなる。国籍や性別、宗教や価値観、障害の有無など、それぞれの「違い」を個性として尊重できる、誰にとっても快適で安全にすごせる環境を実現したい。

 高齢社会でもみんなが活力を失わずに健康に生きていくには、スポーツがもっと生活に浸透することが大切だ。身障者にも高齢者にも優しいバリアフリーの社会をつくることも必要となる。

変化生み出す格好のスイッチに

 五輪とパラリンピックを地元で開催することは、社会や人々の意識にこうした変化を生み出すための格好のスイッチになると思った。この国は世界の先頭を切って人口減、高齢化の時代を迎えた。1964年の東京五輪が日本のその後の発展に大きな役割を果たしたように、分水嶺を越えた今の日本にとっても、五輪・パラリンピックの開催は大切な意味を持つのではないだろうか。

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