2017年11月23日(木)

半導体大再編 買収ドミノ 1兆円超え、3年で10件

エレキ
2017/11/6 22:46
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 米ブロードコムが半導体業界で過去最大のM&A(合併・買収)を仕掛けた。あらゆるモノがネットにつながる「IoT」やビッグデータの時代が到来し、半導体需要は拡大する見通し。半導体業界で、過去3年間に表面化した買収金額1兆円以上の大型M&Aは10件に達する。有力技術を持つ優良メーカーを奪い合う半導体業界の再編ドミノが過熱してきた。

 「クアルコムのモバイルビジネスとブロードコムのプラットフォームを組み合わせることにかねて興味を持っていた。この組み合わせは、株主や従業員、顧客らに多大な利益をもたらす」

 ブロードコムのホック・タン最高経営責任者(CEO)は6日、クアルコムの取締役会宛ての書簡で買収の意義を訴えた。スマートフォン(スマホ)向けで圧倒的な存在感を持つクアルコム、ブロードバンド通信用に強いブロードコムが組めば、通信用半導体で断トツ企業が生まれるからだ。

 その視界にあるのはIoTという巨大市場。スマホなどIT機器から産業機械までつなげるIoTは通信技術が支える。その中核を担うのが半導体だ。ソフトバンクグループが約3兆3000億円という巨費を投じて英半導体設計アーム・ホールディングスを買収したのも、IoT普及による「パラダイムシフトの始まり」(孫正義社長)を見据えての決断だった。

 IoTだけではない。自動運転などの技術革新が進む自動車産業でも、半導体が競争力のカギを握る技術として重要性が増している。パソコン向けCPU(中央演算処理装置)で業界トップに君臨する米インテルは3月、イスラエルの車載用半導体大手モービルアイの買収を決定。自動運転時代の到来に備え、攻めの一手を打った。

 IoTや自動運転など先端分野では、高い技術力や技術特許を持つ半導体メーカーは限られる。「意中の企業を誰かに買われてしまうかもしれない」という焦りが各社をM&Aに駆り立てる側面もある。「今は半導体バブルだ」という指摘はあるものの、再編期待から半導体メーカーの多くは株価が上昇基調にあり、今後も巨額の買収案件が続くとみられる。

 半導体再編の焦点は、大型M&Aで急速に進む寡占化に対する世界各国・地域の独禁当局の見方だ。ブロードコムによるクアルコム買収が両社で合意しても、通信用半導体であまりに大きな存在となると判断されたなら、独禁法の審査が買収の障害となる恐れがある。

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