2017年11月24日(金)

第2のパナマ文書か 「パラダイス文書」首脳ら120人
タックスヘイブンへの関与に批判必至

ヨーロッパ
2017/11/6 18:43
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 大手法律事務所アップルビーから流出した「パラダイス文書」は、世界の首脳や閣僚、王室関係者がタックスヘイブン(租税回避地)に関与していた実態を浮き彫りにした。文書には著名人約120人の名があがった。タックスヘイブンの利用は違法ではないが、意図的な税逃れとの批判は避けられない。各国の首脳や閣僚を辞任に追い込んだ「パナマ文書」の再来となる可能性がある。

 パラダイス文書は国際調査報道ジャーナリスト連合(ICIJ)が5日(日本時間6日未明)に公開した。英領バミューダ発祥の法律事務所アップルビーの内部文書など合計1340万件の文書で構成する。ICIJは分析を通じ、世界の首脳、閣僚ら120人がタックスヘイブンの企業に関与したと指摘した。

 米国ではロス商務長官の関連企業が米政府による経済制裁対象のロシア企業と取引していると名指しした。新たなロシア疑惑に発展する可能性が指摘されている。

 清潔なイメージが売り物のカナダのトルドー首相の盟友の名前も挙がった。同首相の資金集めを担当していたステファン・ブロンフマン氏が英領ケイマン諸島の信託会社に巨額の資金を移していたと指摘。専門家によると、カナダ、米国、イスラエルで課税を逃れた可能性があるという。

 王室では英国のエリザベス女王の個人資産がケイマン諸島のファンドに投資されたことが分かった。ヨルダンの前国王の妻、ヌール妃もジャージー島にある信託会社2社の受益者になっていたことが判明した。そのうちの1つは2015年時点で4千万ドル(約45億円)の価値があり、収入はヌール妃に支払われることになっていた。

 名前が挙がった著名人にはノーベル平和賞受賞者も含まれる。11年に受賞したリベリアのサーリーフ大統領は、01~12年までバミューダ企業の役員として登録されていた。コロンビアのサントス大統領(16年受賞)は、01年までバルバドスに設立された保険会社の役員を務めていた。

 100を超す多国籍企業の名も挙がった。ICIJの資料によると、米アップルの顧問弁護士がメールでアップルビーにタックスヘイブンでの子会社設立を相談していた。ナイキはロゴの商標権を持つペーパーカンパニーを設立し、課税逃れをしていたとしている。

 世界のリーダーや大手企業は高い倫理観やルールの順守が求められる。タックスヘイブンを使った税逃れが事実なら、有権者や消費者の反発を招くのは必至だ。

 (国際アジア部 松本史)

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