温暖化ガス、49カ国で減少 世界全体は2030年前後か
温暖化ガスの排出量が2010年までに減少に転じた国は49カ国で、30年までに日本、中国などを含め57カ国となるとの調査結果を米国の環境シンクタンク、世界資源研究所(WRI)が6日までにまとめた。30年前後に世界全体の排出量が減少に向かうとみられるが、パリ協定が目指す地球温暖化の深刻な被害回避には遅すぎると分析している。
WRIは「減少に向かう時期をできるだけ早くし、その後も大幅に減らす必要がある」と指摘。ドイツで6日に始まる気候変動枠組み条約締約国会議でも、対策強化を求める声が強まりそうだ。
20年に始まるパリ協定は、深刻な被害を避けるため産業革命以来の気温上昇を「2度より十分小さくし、1.5度にするよう努力する」との目標を掲げる。
WRIによると、1990年までに排出量がピークを迎えた国の数はドイツやノルウェー、東欧諸国など19だったが、2010年には米国や欧州諸国を中心に49に増えた。
30年までには日本、中国、韓国、メキシコなどが減少に向かうと推定され、国の数は57に増加。ピークを迎えた国の総排出量は世界全体の60%になるとみられる。
パリ協定の目標を達成するには、世界全体の排出量を20年に減少に転じさせ、40年ごろにゼロにする必要がある。ピークの時期が25年に遅れると、より急速な排出削減が求められ、35年ごろにはゼロにしなければならないという。〔共同〕