2017年11月19日(日)

一枚上手の相撲論(浅香山博之)

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力士のけが予防、カギは相撲の基礎にあり

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2017/11/10 6:30
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 大相撲九州場所は12日、福岡国際センターで初日を迎える。先場所は99年ぶりに3横綱2大関が休場し、改めて力士のけがの問題がクローズアップされた。力士の故障を防ぐにはどうしたらいいのか、思うところを語っていきたい。

 ほとんどの親方衆がいま思っているのは、基礎が足りないということではないか。相撲で一番大事な基本運動、四股、すり足、テッポウなどが足りないからけがをすることが多いのではないかと思う。もちろん、けがをするときはするし、休場した力士の事情もそれぞれ違う。だが、基礎をきちんとやらなければ、なおさらけがをしてしまうのは確かだ。

秋場所千秋楽で休場力士を知らせる電光掲示板。3横綱2大関が不在となった=共同

秋場所千秋楽で休場力士を知らせる電光掲示板。3横綱2大関が不在となった=共同

何といっても四股が大切

 見ていて危なっかしい相撲が多いと感じるし、番付が下位の力士は、すり足ができていないから土俵際で足が出なくてバタバタしている取組も目に付く。お互いが前に攻めて相撲を取っていれば、それほどけがはない。安易に引いたり、強引に投げたりすると、けがにつながることが多い。先場所途中休場した大関高安は、玉鷲に攻め込まれて後ろに下がり、土俵際を右足一本で踏ん張って右足を負傷した。苦し紛れに何かをすると、やはりけがをしてしまう。

 相撲の基礎で鍛えられた肉体というのは、下半身が全然違う。特に尻の筋肉。まわしの下の肉が盛り上がっている力士がいる一方で、筋肉に張りがなかったり、脂肪がぷよぷよしていたりする力士もいる。相撲取りは筋肉の上に脂肪がついているわけだから、筋肉が落ちれば脂肪はたるむ。素人の方が見ても、力士が普段どういう稽古をしているかわかりやすいと思う。

 やはり何といっても四股が大切だ。尻や太もも、ふくらはぎや足の指にまで力を入れ、下半身の全てを使わなければいけない動作だから、しっかり鍛えれば下半身が安定してくる。すると相手を押すことも楽にできるようになるし、下半身がうまく使えれば上体の力も生きてくる。スポーツ界では体幹が注目されることが多くなってきたが、下半身を強化し、ぶれない体をつくり上げるには四股が一番だ。

 だが、最近は四股をウオーミングアップ程度にしか考えない力士が多くなってきたように感じる。単純だが、きつくて地味な稽古だから、どの力士もやりたがらない。やっても一回一回の四股に力強さや重さがないし、ちょっとやったら休んでと、続けてやらない。自分が若いときは、1日500回、関取になってからも300回はちゃんとした四股を踏んでいた。昔の部屋は常に誰かが四股を踏んで、テッポウをやっている音が必ず聞こえてきたものだが、今の稽古場は静かなもの。だから下半身に粘りがなくなって、けがもするのだろう。筋力トレーニングをすることが悪いわけではない。ただ、四股とか相撲の基礎をちゃんとやらないで、トレーニングだけやっても相撲は勝てないし、けがもする。

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