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ダルやイチローらFAに 気になる契約交渉の行方
スポーツライター 杉浦大介

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2017/11/6 6:30
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ワールドシリーズが終わり、米大リーグはストーブリーグ開始――。11月3日、ヤンキースの田中将大は残り3年の契約を破棄してフリーエージェント(FA)になる権利を行使せず、チームに残留することを表明した。プレーオフで真価を誇示した田中がFAを選ばなかった理由はどこにあったのか。そして、ダルビッシュ有、イチローらFAになった他の多くの日本人メジャーリーガーはどんな道を選ぶのか。

「このたび、ヤンキースの一員として今後もチームに残る決断をさせていただきました。この4年間、選手としてヤンキースという球団、並びにヤンキースファンのためにプレーできたことをうれしく思っております。ですので、ヤンキースに残るという決断は私にとって決して難しいものではありませんでした」

ソーシャルメディア上で田中が自ら発信した残留メッセージは、多くのヤンキースファンを喜ばせたことだろう。

今年のプレーオフではア・リーグ優勝の本命とみられたインディアンス、後にワールドシリーズを制したアストロズというリーグの2強をほぼ完璧に封じ込め、3試合で2勝1敗、防御率0.90という堂々たる成績を残した。7年契約の4年目を終えた今オフは、FAになるには適したタイミングにも思えた。

ここでFAになって移籍市場に出ていれば、3年総額6700万ドル(約76億円)という残りの年俸以上の額を手にすることもできたはず。移籍しないにしても、より好条件でのヤンキースとの再契約をもくろむと推測する声も多かった。

田中、20年までヤ軍でプレー

しかし、多くの米メディアの予想に反し、田中は期限を待たずして残留を表明。これで少なくとも2020年まではニューヨークでプレーすることが確定的になった。

決断の背後には、ニューヨークの街とヤンキースへの愛着以外にも種々な事情があったに違いない。ポストシーズンで汚名を返上したとはいえ、とにかく調子の波が激しかったシーズン中は13勝12敗、防御率4.74というメジャーで自己最低の成績に終わった。14年に負った右肘靱帯断裂を懸念する声もいまだに消えていない。だとすれば、FA宣言後に年俸総額が増えたとしても、1億ドルを超えるような大型契約を手にすることは難しかったのかもしれない。

また、たとえ高額年俸を引き出せたとしても、優勝争いが難しい下位チームからのオファーだけであれば魅力は半減する。ヤンキースに残りたいという強い思いもあっただろう。田中の代理人は事前にヤンキース、他のチームの感触はつかんでいたはずで、ここでの残留は利害をすべて考慮した上での判断ではないか。

大リーグはビジネスなのだから、年俸など条件面について配慮があるのは当然。そして理由、背景がどうであろうと、今秋の大活躍の後で田中の残留声明は多くのニューヨーカー、チーム関係者に好意的に受け取られたに違いない。

「今後も、スタインブレナー一家、球団、そしてヤンキースファンのために、素晴らしいチームメートとともにワールドシリーズ制覇を目指して頑張っていきたいと思います」

田中本人が目標として挙げるワールドシリーズ制覇に、ヤンキースは近い将来には十分に手が届く位置にいる。17年シーズンに14勝のルイス・セベリーノ、シーズン中に移籍したソニー・グレイに加え、田中の残留で先発3本柱が確立。これでチーム側はFAで大物投手を追い求める必要はなくなった。あとは成長株のジョーダン・モンゴメリーに加え、今季で契約が切れるCC・サバシアと年俸を抑えて1年契約でも結べば、この時点で先発ローテーションの頭数はそろう。

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