2017年11月21日(火)

ベネズエラでデフォルト懸念、債券価格が急落

中南米
2017/11/4 7:28
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 【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラ政府のデフォルト(債務不履行)懸念が再燃している。マドゥロ大統領は2日夜、対外債務の整理を実施すると債権者に通告。3日の債券市場でベネズエラ国債や国営石油会社PDVSAの社債が急落した。国債や社債に直接債務を加えた総額は1千億ドル(約11兆4千億円)にのぼる。国際通貨基金(IMF)が同国非難の準備に着手したとの報道もあり、緊迫感が増している。

米国の経済制裁を強く非難するベネズエラのマドゥロ大統領(10月、カラカス)=共同

 マドゥロ氏は2日、「対外債務とベネズエラの全ての支払いに対する借り換えとリストラを命令する」と突如発表。同日が期限だったPDVSAの11億ドル規模の社債償還については支払うとしたものの、今後の債券の利払いや直接債務返済については「話し合う」としている。

 ベネズエラ政府による一方的な発表を受け、債券市場ではベネズエラ国債やPDVSAの社債に売りが殺到。2022年償還の10年物国債の価格は額面1ドルあたり45セントから32セントに、27年償還のPDVSAの10年物社債も額面1ドルあたり30セントから23セントへと急落した。ロイター通信は米ブラックロックや英アシュモア・グループといった資産運用会社がこれらの債券に投資していると報じた。

 世界有数の産油国であるベネズエラが資金繰りに窮するようになった背景には、8月の米国による経済制裁がある。石油価格の下落で経済が破綻状態のなか、マドゥロ政権は政権維持のため独裁体制に移行。米トランプ政権は制裁としてベネズエラ政府とPDVSAに対する米国市場での新規融資を禁止した。

 ベネズエラ政治・経済情報を扱うベネインベストメントの松浦健太郎社長は「米政府からの罰則を恐れ金融機関や製油所がPDVSAとの取引をしたがらなくなっており、制裁以上の影響がでている」と分析する。

 債務問題を担当するアイサミ副大統領は「銀行やPDVSAの社債保有者、対外債務にかかわる全員に呼びかける」としているが、債務整理の規模や手段、時期など詳細を明らかにしていない。米国と対立するなか、融資や投資で同国を支えてきたロシアや中国が含まれるかどうかも不明だ。

 また、ロイター通信は関係者の話として、IMFがベネズエラ政府に対し「非難宣言」を準備していると報じた。同国政府による経済データの提供に問題があったとしている。

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