2018年10月17日(水)

米失業率4.1%に改善 10月、16年10カ月ぶり水準
12月利上げ後押し

2017/11/3 22:47
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【ワシントン=鳳山太成】米労働省が3日発表した10月の雇用統計(速報値、季節調整済み)は失業率が4.1%と前月から0.1ポイント下がり、16年10カ月ぶりの低水準となった。景気動向を敏感に映す非農業部門の雇用者数はハリケーン被害からの回復もあり前月に比べて26万1000人増えた。堅調な雇用情勢が確認され、米連邦準備理事会(FRB)が12月に追加利上げに踏み切るとの観測を後押ししそうだ。

失業率は市場予想(4.2%)を下回り、IT(情報技術)バブルに沸いた2000年12月以来の水準まで下がった。

雇用者の増加は市場予想(32万人)を下回った。9月の増加数は速報値の3万3000人減から、1万8000人増へと上方修正した。

米国では8月下旬から9月上旬にかけて大型ハリケーン「ハービー」「イルマ」が相次いでテキサス州やフロリダ州に上陸した。道路が冠水したり停電したりして多くの店舗は休業に追い込まれたが、営業の再開に早くこぎ着けて住民の働き口が戻った。飲食店の労働者数は9月に9万8000人減ったが、10月には8万9000人増えた。

物価動向の先行きを占う平均時給は26.53ドルと前年同月比2.4%増えた。ハリケーンによる休み中に給与が支払われる例など特殊な押し上げ要因があった9月の2.8%に比べると、賃金の伸びは鈍化した。

FRBは12月中旬に米連邦公開市場委員会(FOMC)を開き、今年3回目の利上げの是非を判断する。11月1日のFOMC後の声明では「緩やかな利上げのもとで、経済の改善が続く」との見通しを示し、次回会合での追加利上げに踏み切ると示唆していた。

米経済は堅調だ。金融危機による景気減速から持ち直した09年7月から拡大局面が続く。17年7~9月期の実質GDP(国内総生産)成長率は前期比年率換算で3.0%増えた。ハリケーンによる押し下げ要因は軽微にとどまり、企業が雇用を抑える動きは顕在化していない。

もっとも雇用情勢の改善が物価を大きく押し上げるまでには至っていない。9月の個人消費支出(PCE)物価指数は前年同月比1.6%伸びたが、ハリケーンで製油所の稼働が止まってガソリンが値上がりした影響を含んでおり、エネルギーや食品を除くコア指数では1.3%にとどまる。経済の体温とされる物価の停滞という難題は、FRBのパウエル次期議長に引き継がれる。

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