2017年11月22日(水)

ベネズエラ政府、対外債務の債務整理を通告

中南米
2017/11/3 11:54
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 【サンパウロ=外山尚之】南米ベネズエラのマドゥロ大統領は2日、すべての対外債務を対象とした債務整理を実施すると債権者に通告した。ベネズエラ国債や国営石油会社の社債に直接債務を加えた総額は1000億ドル(約11兆4000億円)にのぼるとされ、債権保有国や金融機関に影響を与えそうだ。中国やロシアなど大口債権者との関係が悪化すれば独裁体制が揺らぎかねず、混乱が続く政治情勢に不透明感が増すことになる。

2日、債務整理計画を発表するマドゥロ大統領(カラカス)=ロイター

 マドゥロ氏は2日夜、国営メディアを通じ「対外債務とベネズエラのすべての支払いに対する借り換えとリストラを命令する」と発表した。

 2日が期限だった国営石油会社PDVSAの11億ドル規模の社債償還については「金曜(3日)の早朝に支払うように命じた」と発言。PDVSAのデフォルト(債務不履行)による海外資産の差し押さえは回避する見通しだ。次回の社債償還がある2018年4月までに債務整理に持ち込む狙いとみられる。

 債務問題を担当するアイサミ副大統領は「銀行やPDVSAの社債保有者、対外債務に関わる全員に呼びかける」としているが、債務整理の規模や手段、時期など詳細を明らかにしていない。ベネズエラ政治・経済情報を扱うベネインベストンメントの松浦健太郎社長は「すべての債権者を対象とするのか、一部の債券投資家に限定して交渉するのか、現時点で内容ははっきりしていない」と指摘する。

 原油安により綱渡りの財政状況が続いていたベネズエラ政府だが、米国が8月に実施した経済制裁により、今回の宣言に追い込まれた。制裁はベネズエラ政府、PDVSAの米国市場での新規融資を禁止する内容。「米政府からの罰則を恐れて金融機関や製油所がPDVSAとの取引をしたがらなくなっており、制裁以上の影響がでている」(松浦氏)という。

 焦点となるのが中国とロシアの出方だ。米国との関係が悪化するなか、原油安に苦しむベネズエラ政府は中ロに接近していた。特にロシアは独裁化で欧米諸国からの批判が強まるなか、投融資でマドゥロ政権を支援していた。23日から両国政府は債務削減交渉を始めることで合意している。

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