2017年11月22日(水)

アップル、X発売でクック氏の強気 今期増収7%超へ

ネット・IT
エレキ
北米
2017/11/3 9:40
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 【シリコンバレー=佐藤浩実】米アップルは2日、2017年10~12月期の売上高が840億~870億ドル(約9兆5800億~9兆9200億円)になりそうだと発表した。iPhoneの10周年モデルにあたる「X(テン)」やサービスなどの販売が伸び、前年同期比で7~11%伸びると見込む。Xを巡っては部品の生産遅れが指摘されているが、ティム・クック最高経営責任者(CEO)は同日の会見で「我々はBullish(強気)だ」と強調した。

 「iPhoneXの需要は非常に旺盛だ」。クック氏は決算電話会見でまず、こうコメントした。18時間の時差があるオーストラリアで一足早くiPhoneXの販売が始まったことに言及。シドニーの店頭には数百人が並んでいるとし、人気の高さを誇った。

 実際、10月27日午前0時(米西部時間)に始まったiPhoneXの予約受注ではウェブサイトにつながりにくい状況が20分ほど続いた後、「2~3週間後」という出荷日が表示された。米投資会社ドレクセル・ハミルトンによると、11月3日の出荷分を買えたのはわずか数分。35分後には4~5週間となり、午前2時半までに5~6週間にのびた。1~2週間で買えた「iPhone8」と異なる景色だった。

 ただ、出荷期間の長さは人気の高さによるものだけでないことは業界の共通認識だ。iPhoneXの目玉機能の一つである顔認証機能「Face ID」の部品生産にてこずり、17年内の供給量は当初計画の半分の2000万台にとどまるとみる部品メーカーもいる。クック氏はこの点について詳細に触れず「できるだけ早くお客に届ける」とだけ述べた。

 もっとも、利用者の顔を3次元で捉え画面ロック解除などに使う技術そのものへの期待は高い。工業製品デザイナーのルーク・ヴロブルフスキ氏は「(スマートフォンに)触れる必要がなくなり、人間とコンピューターとの接点がより自然なものになっていく」と話す。アップルが07年に発売した初代iPhoneは一人ひとりの手の中にコンピューターをもたらしたが、今度は人と機械の垣根が溶けていくという。

 クック氏がこの日の会見で改めて語ったAR(拡張現実)への傾注も同じ文脈にある。「仮想と現実の世界を組み合わせ教育やゲーム、ビジネスなどで新しい体験を生み出す」。アップルは「ハードウエアとソフトウエアを統合できる唯一の企業だ」とも話し、新技術の採用に率先して取り組む姿勢も訴えた。

 決算を受け米株式市場の時間外取引ではアップルの株価が上昇した。供給などの諸問題を抱えながらも、自ら生み出したスマートフォンで先頭を走り続けようとするアップルを評価したともいえる。期待に応え続けるには、iPhoneXとその先に描く世界の姿を着実に見せていくことが必要だろう。

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