2019年2月16日(土)

米法人税20%に恒久化 35%から引き下げ、共和が法案

2017/11/3 1:12
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【ワシントン=河浪武史】米与党・共和党の議会指導部は2日、30年ぶりの税制改革に向けた詳細な法案を公表した。焦点の連邦法人税率は初年度に現在の35%から20%へと一気に引き下げ、恒久措置とする。海外からの資金還流は税率を下げて国内投資を促す一方で、米国外で稼ぐグローバル企業の海外課税を残した。トランプ政権は税制改革をテコに投資と雇用を米国に戻す狙い。米国の大減税は、国際的な税率引き下げ競争に火を付ける可能性もある。

トランプ政権と米共和党は昨年の選挙で法人税と個人税をともに下げる30年ぶりの税制改革を公約してきた。9月に法人税率の引き下げなどの基本計画を公表。今月2日にようやく税制全体の設計図となる改革法案の提示にこぎつけた。減税規模は議会の決議に基づいて10年間で1.5兆ドル(約170兆円)規模とする方向だ。

企業税制は米国内への投資を促すため、大幅に税率を引き下げる。連邦法人税率は20%にし、日本やドイツ、フランスなど主要国よりも低い水準にする。財政悪化を避けるために5年程度かけて段階的に下げる案もあったが、初年度に一気に減税する。

海外にある資金の米国への還流も促す。これまでは米企業の海外子会社が米国内に資金を戻す際、35%の税率(海外での納税分を除く)がかかっていた。新税制では海外にこれまでため込んだ資金にかける税率を、5~12%にとどめて海外資金を戻しやすくする。先行きは海外子会社からの資金還流の税率を原則ゼロにする計画だ。

一方でグローバル企業には新たな海外課税制度を設ける。国際事業の比率が一定レベルを超える企業には、海外で稼いだ収益に10%を課税する。租税回避地(タックスヘイブン)などへの資金移転の防止策もつくる。米国外に本社を置く企業が米国で稼いだ資金を海外に持ち出す際、最大20%を課税する案が浮かんでいる。同案は制度設計次第では日本企業にも影響する可能性がある。

個人税制では所得税の最高税率の引き下げは見送った。税率区分を7段階(10~39.6%)から4段階(12~39.6%)に簡素化する。9月の基本計画では最高税率を35%に下げるとしていたが、富裕層優遇との批判が出ていた。

米下院は週明けの6日から議会審議に入り、11月下旬までに法案を通過させたい考えだ。トランプ米大統領は12月中に上院でも可決し、年内に成立させると表明している。議会共和党は与党の単独過半数で税制法案を通過させるための予算決議を成立させている。

ただ、大型減税で財政の悪化は避けられず、与党議員にも異論が残る。法案が年内にそのまま実現するかは不透明で、税率などを修正する可能性もある。トランプ氏は共和党重鎮のコーカー上院議員らと外交問題などで対立して中傷合戦を繰り広げており、一部の与党議員が税制改革でも離反する可能性がある。

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