レノボ、国内パソコン4割掌握 富士通と合弁発表

2017/11/2 22:52
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中国レノボ・グループと富士通は2日、パソコン事業で合弁会社を設立すると発表した。レノボが富士通のパソコン子会社に過半を出資し、経営の主導権を握る。2011年に事業統合したNECと合わせ、レノボは国内パソコン市場の4割のシェアを握ることになる。スマートフォン(スマホ)市場でも華為技術(ファーウェイ)がシェアを伸ばすなど、中国メーカーの存在感が日本国内でも際立ってきた。

レノボ・グループのヤン・ヤンチン会長兼最高経営責任者(CEO)と富士通の田中達也社長はパソコン事業以外での連携も強調した(2日、東京都港区)

レノボ・グループのヤン・ヤンチン会長兼最高経営責任者(CEO)と富士通の田中達也社長はパソコン事業以外での連携も強調した(2日、東京都港区)

都内で開いた記者会見で、レノボの楊元慶(ヤン・ヤンチン)会長兼最高経営責任者(CEO)は「提携を通じて調達力を伸ばし、我々のビジネスを強固なものにする」と狙いを語った。

18年4月以降をめどに280億円で富士通のパソコン子会社に51%を出資する。富士通の保有比率は44%、日本政策投資銀行は5%となる。取締役7人のうち4人の指名権をレノボ側がもつ。レノボの国内シェアは4割に到達し、米デルや米HPを突き放す。

両社の交渉は決着まで1年以上かかった。富士通の田中達也社長は「合弁会社のスキームについて本音で徹底的に議論をした」と理由を説明した。国内シェアで首位のNEC・レノボ連合との関係など、統合後の体制について細部の調整に時間がかかったという。

結果、島根県の工場や販売ブランド「FMV」は継続し、NEC側とは別々に事業展開を行うことで決着した。

レノボは11年のNECとのパソコン事業統合後、生産や保守を一体化して効率化をすすめている。NECが持つ量販店の販売網を活用するなどして日本でシェアを急拡大させ、事業統合の成功モデルとされている。

今回、富士通のパソコン事業を傘下に収める狙いは、生産や開発面での競争力をさらに高めることにある。

国内のパソコン市場は大きな成長が見込めないが、高級機種が中心。レノボは少量生産や小型化など、顧客が要求する仕様に対応する富士通のノウハウの取り込みを狙う。

今後の焦点はさらなる再編だ。ヤンCEOは他の国内メーカーとのPC事業の統合については「まずは富士通との合弁を成功に導く」と明言を避けた。ただ、汎用品であるパソコンでは基本ソフト(OS)やCPU(中央演算処理装置)などの調達で規模のメリットが生きやすい。

東芝パナソニック、VAIO(長野県安曇野市)など残る主な国内メーカーのシェアは合計しても15%程度。単独での生き残りは厳しくなるだけに再編の機運が高まりそうだ。

レノボなど中国のエレクトロニクス各社は、巨大な母国市場を生かしたコスト競争力を武器に、世界各国の市場でシェアを伸ばしている。

日本国内でもスマホ市場は従来は日本メーカーや米アップルなどがシェアを独占していたが、最近はファーウェイなど中国企業の存在感が高まっている。

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