2017年11月24日(金)

[ヒュリエット]トルコ政府系ファンド、融資要請
外貨流動性不足か

コラム(国際・アジア)
2017/11/2 23:00
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 トルコの新しい政府系投資ファンドが複数の外国銀行と融資協議を重ね、中国のある銀行には50億ドルの融資を求めた、と米ブルームバーグ・ニュースが最近、報じた。内閣の承認待ちで投資戦略文書も未完成のこの政府系ファンド。それが融資獲得に必死になっているのはなぜなのか。

 このファンドは新株や収益分配証券などを発行してインフラ投資資金を捻出するという話だった。融資を求める話は一切、出ていなかった。本来、政府系ファンドは現在の貯蓄を活用し将来世代に収益を移転する。それがトルコは設立で債務を増やし、将来世代から所得を奪おうとしている。

 インフラ投資のために緊急融資を求めている話は信じられない。政府は黒海とマルマラ海を結ぶ「イスタンブール運河」計画を始めるとする。第2のボスポラス海峡を造るというものだが、反対も多い。融資獲得は無理だろう。

 一体、この急ぎ方は何なのか。緊急融資で思い浮かぶのは職員給与か、払い込みが迫る目先の費用だ。つまり、今回の要請は短期の外貨流動性を補おうとするもの、と推測される。

 来年にかけて返済期限が来る対外債務は1100億ドルを超える。米国と欧州連合(EU)からの締め付けが厳しくなり、外貨流動性は低下するだろう。近く米連邦準備理事会(FRB)の利上げもありそうだ。

 そもそも外貨流動性を多額の対外債務を抱える銀行に頼るのは大問題だ。その銀行の多くが外国の融資獲得で苦労している。このファンドは既にトルコの銀行の外貨流動性不足を補うために多額の外貨建て債務を負っている可能性がある。

 外国銀行は戦略も明確でないファンドに融資するだろうか。成り行きを見守るしかない。

(2017年10月24日付 トルコ・ヒュリエット英字版)

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