2017年11月20日(月)

クアルコム、純利益89%減 アップルとの係争響く

ネット・IT
エレキ
北米
2017/11/2 8:36
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 【シリコンバレー=佐藤浩実】米半導体大手のクアルコムが1日発表した2017年7~9月期決算は純利益が前年同期比89%減の1億6800万ドル(約190億円)だった。知財の対価を巡る米アップルとの法廷闘争で特許料の支払いが止まっている。台湾での独占禁止法違反に伴う課徴金も響いた。スマートフォン(スマホ)での成功をもたらした事業モデルが逆風になっている。

 純利益が前年同期を下回るのは4四半期連続。スティーブ・モレンコフ最高経営責任者(CEO)は「アップルや製造委託先との係争で『QTL』(と呼ぶ技術ライセンス部門)が影響を受けた」と説明した。同部門はクアルコムの稼ぎ頭だが、主要顧客の一社であるアップルが特許料が不当に高いと訴え、係争中は支払いが行われない。

 売上高は5%減の59億500万ドル。通信用チップなど半導体部門の売り上げが13%増の46億5000万ドルだった半面、技術ライセンス部門は36%減の12億1300万ドルと落ち込んだ。モレンコフ氏は「長年にわたるビジネスと特許の価値を守ることに集中する」と話した。

 アップルとの係争は泥沼化している。アップルのティム・クックCEOは年初の決算電話会見で「(クアルコムの手法は)同じソファなのに、家全体の値段によって請求額を変えるようなもの」と指摘し、スマホの価格に連動する特許料の設定手法をおかしいと訴えた。一方でクアルコムは最近、中国でiPhoneの製造・販売差し止めを求める訴訟を起こしている。

 10月30日には米紙ウォール・ストリート・ジャーナル(電子版)が、アップルが来年からiPhoneでクアルコムの通信チップの使用をやめインテルや台湾の聯発科技(メディアテック)から調達する可能性があると報じた。技術力を考えると「クアルコム外し」は難しいとの見方もあるが、現実になれば業績への影響は大きい。

 クアルコムも次世代通信規格「5G」向けの技術開発を強化したり、データセンターやパソコン市場に本格参入したりするなど、スマホだけに依存しない事業構造を築こうとしている。

 ただ、17年中を目指していた車載半導体大手NXPセミコンダクターズ(オランダ)の買収完了は18年にずれ込む見通しだ。新たな事業が育つまでスマホ業界とアップルが大きな顧客であることに変わりはなく、業績も左右されることになる。

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