2019年5月22日(水)

半導体メモリー、活況続く サムスンなど好調

2017/11/2 6:30
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半導体メモリーの活況が続いている。スマートフォン(スマホ)の大容量化に加え、データセンターの新増設でメモリー需給は逼迫。韓国サムスン電子の2017年7~9月期の半導体事業の売上高営業利益率は50%を突破した。東芝を含めたメモリー大手5社の収益は軒並み伸びている。

「ここからさらに伸びるのか」。サムスンが10月31日に発表した7~9月期決算を見て、外資系証券会社のアナリストは感嘆の声を漏らした。サムスンの売上高は前年同期比3割増、営業利益は2.8倍になった。

けん引役になった半導体事業の営業利益率は、4~6月から4.3ポイント伸びて50%を超えた。世界シェア4割に迫るNAND型フラッシュメモリーでいち早く量産体制を築いた「3次元メモリー」の歩留まり(良品率)改善が奏功した。

足元ではデータセンター向けDRAMの伸びが著しいという。ビッグデータ解析や人工知能(AI)のサービスを提供するには、最高性能のCPU(中央演算処理装置)とDRAMが欠かせない。生産設備と研究開発に巨額の投資を続けてきたサムスンだけが高性能DRAMを供給できるとみられており、DRAMも半導体事業の収益を押し上げている。

営業利益率上位3社の共通項は、NANDとDRAMのどちらも生産していることだ。米インテルも含め6社がひしめくNANDに比べて、DRAMは3社の寡占状態で価格も安定している。サムスンと韓国SKハイニックス、米マイクロン・テクノロジーの好業績の主因となっている。

従来型の市況サイクルを超え、需要拡大が続く「スーパーサイクル」を1年前から指摘してきた野村証券の和田木哲哉マネージング・ディレクターは「18年半ばまで需要は底堅く、業績は安心してみていられる」と分析する。

東芝のメモリー事業の売却交渉でも足元の活況が追い風となった。米アップルや米デルといったメモリー供給先が相次ぎ出資を表明したのは、メモリー不足のなかで東芝の生産量を確保することが目的とみられる。東芝は有利な条件でメモリー子会社、東芝メモリの売却契約を結べた。

ただ、メモリー各社の増産投資はいずれ需給ギャップを埋める。活況に浮かれてばかりいては、次の不況期を乗り越えられない。サムスンはデータセンターの高速処理に必要な、NANDとDRAMを組み合わせた新型メモリーにも巨額の開発資金を投じる。将来の技術動向を見据えた投資が数年後の優勝劣敗を左右する。

(企業報道部 細川幸太郎)

[日経産業新聞 2017年11月2日付]

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