2019年3月20日(水)

革新機構社長「果たすべき役割、まだ道半ば」

2017/11/1 19:33
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官民ファンドの産業革新機構は1日、2017年度上半期の活動報告に関する記者会見を開いた。上半期は計12件の新規・追加投資を実施したほか、8件の株式を譲渡・売却した。設立から8年がたつ革新機構。「役割はまだ道半ば」(勝又幹英社長)という。引き続きベンチャー投資に力を入れるほか、海外企業も巻き込んだ業界再編なども主導していく考えだ。

1日公開した資料によると、通算122件の投資案件のうち、既に売却を完了した37件については、投資金額2904億円に対して回収額は6589億円だったと発表した。投資資金の1.3倍の株式売却益(キャピタルゲイン)を得た。

大きく寄与したのは、6月に株を売却したルネサスエレクトロニクス。革新機構の下で構造改革を進め、12年に1株120円で取得した株を、今年6月に1株825円で売り出した。また、11年に出資し40%の株を保有していたスイスの電力メーター、ランディス・ギア株も、7月に全株式を売却した。

今回から、ベンチャー企業の投資実績と、事業再編・統合に関する実績を分けて公開した。ルネサスなどの事業再編・統合の回収実績が2.7倍だった一方、ベンチャーは0.7倍にとどまった。ベンチャー投資では8月末時点で184億円の損失を出している。

ベンチャーの出資をめぐっては、出資先がその後破綻したり、全損するなどの失敗事例が指摘されている。志賀俊之会長は、「ベンチャーの案件なので全部が全部成功するわけではない」とした上で、スタートアップ企業の経営やマーケティングに深く関与する「ハンズオン支援」を強化していくと強調した。

グローバル市場での競争力を高めるために、さらなる企業再編も重要だと唱える。4月に作った「グローバル産業再編プログラム」の下、海外企業も巻き込み、日本と海外企業のジョイントベンチャー(JV)生成を後押ししていく考えだ。既に、インドやブラジル、トルコなどに革新機構の担当者が訪問し、現地企業と面談を進めているという。

09年に設立された革新機構は、25年3月末までの時限組織。「投資に対する回収を考えると、純投資ができるのはあと3~4年」(勝又社長)と話す。足元では経済産業省が同組織の延長を議論し始めたが、勝又社長は「現在は25年3月を区切りとして活動している。限られた予算・期間のなかで、できることを精進し達成していく」とした。(齊藤美保)

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