2019年5月27日(月)

裁判官のアパート経営NG 最高裁「廉潔求められる」

2017/11/1 18:29
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夫婦で賃貸アパートを新築して賃料収入を得ようとした男性裁判官に対し、最高裁は1日までに「不許可」とする裁決をした。賃料収入が年間約1100万円に上り、「最も公正かつ廉潔であることが求められる裁判官には認められない」と判断した。

裁判所法は金銭的な利益を目的とする裁判官のビジネスや、最高裁が許可しない兼業を禁じている。私的な争いを審理・判断する職務の性質上、一般の国家公務員以上に公正さが求められることが理由とされる。

裁決書によると、裁判官は2015年、妻とともに約1億3千万円を銀行から借り入れ、自身が所有する土地に鉄骨3階建てのアパートを新築する計画を立てた。もともとは親の自宅兼アパートがあった土地だった。

計画では、夫婦で全12室を不動産会社に30年間貸し付け、賃料収入は年約1100万円。借入金の返済を差し引いても年500万円以上の利益が出る想定となっていた。

最高裁が兼業の許可申請を認めなかったため、裁判官は「職務への支障はない」として外部委員会に不服を申し立てた。委員会は17年9月の答申で「経済的利益の追求以外にアパート経営の必要性や目的がない」とし、最高裁の判断を支持した。最高裁は10月25日付の裁決で、改めて不許可とした。

最高裁によると、同じように兼業の許可を求めた例は12~16年度に年間50件程度あるが、相続した不動産の賃貸や転勤に伴う自宅の賃貸が多い。最高裁が許可しなかったのは、この裁判官の申請1件だけだった。

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