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中央と地方の思惑はらむ「3日競馬」の舞台裏

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2017/11/4 6:30
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 9月の後半も中山、阪神の2場で3日競馬が組まれることは多いが、この時期の敵は台風。13年は台風の直撃で月曜の中山、阪神がともに中止となり、火曜に順延された。完全な平日開催となり、売り上げ面のダメージも相当だった。台風シーズンに3日連続開催を組むと、天候に気をもむことが多くなる。今年9月も「あわや」の局面があった。16~18日の3日開催で、中日の17日に台風が接近したが、最も危ぶまれた阪神が運良く直撃を免れた。しかも、雨雲も競馬場付近を素通りし、G2のローズステークスは良馬場で施行された。

 1月2週の成人の日、12月23日の天皇誕生日も週末と重なれば3日開催となる場合が多い。10月2週と同様、近年は2場開催の場合が多く、業績面でも「組みたい日」となる。天皇誕生日に開催する場合、有馬記念の前後に入る形になる。有馬記念は日曜固定のため、翌日の月曜の場合もあり、一部のファンからは「有馬記念の余韻を楽しむ暇もない」との声が出たりもする。

来年は「禁断の2月祝日開催」も

 JRAの発表によると、18年の祝日開催は1月6~8日(中山、京都)、2月10~12日(東京、京都、小倉)、9月15~17日(中山、阪神)、10月6~8日(東京、京都)の4回である。特徴的なのは、年4日制となってから一度も使われなかった2月2週に、3日競馬が組まれた点だ。この時期は降雪の確率が1年で最も高く、さらに東京競馬場(府中市)は都心より内陸のため気温が低く、雪のリスクが高い。14年2月には2週連続で降雪に見舞われ、4日間も開催中止となった。除雪要員の確保もままならず、芝の傷みを嫌って避けてきた重機の投入によって、辛くも代替開催にこぎ着けたほどだ。

 ではなぜ、そんな“禁断の”2月に3日競馬が組まれたのか。12月28日の開催と関係している。来年末のカレンダーを見ると、有馬記念の行われる12月第4週は、天皇誕生日(23日)が日曜で、翌24日が振り替え休日。ここが最も収まりがよく、業績も期待できるが、JRAは今年と来年、各方面からの反対が強い28日に開催を組んだ。24日の祝日を使った後、中3日での28日開催は不可能。そうなると使える祝日は2月以外ではジャパンカップのある11月第4週の金曜(23日=勤労感謝の日)しかないが、国際招待競走のため様々な行事があり、金曜の競馬開催が難しい。結局、消去法で降雪のリスクが高い2月第2週に3日競馬を組むことになった。

 今年の12月28日も、営業的に苦戦は必至で、前日から場外発売所を稼働し、全競走、全賭け式で払戻率を売り上げの80%(通常は全体平均約75%)に設定する出血ぶりだ。年末休み前で、相当数のファンに不便な日に開催する無理筋のツケを、必死で覆い隠そうとしているように見える。来年も続く12月28日開催。ファンが望んでもいない施策のために、雪のリスクを冒して2月に3日開催を組むのは、本末転倒と言わざるを得ない。

(野元賢一)

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