2018年9月23日(日)

日本代表入りへ復調期す バドミントン・佐藤冴香(下)

2017/11/5 6:32
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 2017年6月、佐藤冴香はインドネシア・オープンで初優勝を飾った。五輪、世界選手権に続く国際大会最高峰のスーパーシリーズ(SS)でもプレミアと格付けされる大会。ランキング上位選手を次々と撃破した。佐藤にとって初のSS制覇だった。

 決勝はこの時点で世界ランク5位(現在3位)の成池鉉(韓国)と対戦。フルゲームにもつれたが、最終ゲームは21―14。相手の足が止まってから圧倒した。体力自慢の佐藤の強みが発揮された。

日本女子には抜群の集中力を持つ奥原と、ほとんど心の揺れを見せない山口というライバルがいる

日本女子には抜群の集中力を持つ奥原と、ほとんど心の揺れを見せない山口というライバルがいる

 世界の上位を目指す自信を取り戻す金星だった。「トップ10の選手たちと互角以上に戦えたのだから(世界選手権の)メダルは十分に狙える」と意気込んだ。ところが、その気持ちが空回りした。

 8月の世界選手権(英グラスゴー)を前にした代表合宿。好調で体も動き、徹底的に自分を追い込んだ。「メダルを取りに行く」と決めていた。

 それが初戦敗退。「これで終わり? こんなに練習しても結果が出ないのだったら、何をやっても無駄なのではないかという気持ちになった」。奥原希望(22)が激戦を制して世界女王に輝いた。

 冷静に分析すれば、本番前に調子を上げすぎたピーキングの失敗となるだろう。そう考えて次に向かえばいいのだが、そうできないのが佐藤の性格だ。

 9月のジャパン・オープンも初戦敗退。準優勝した中国選手に対して、見せ場をまったく作れない0―2の完敗だった。試合直後は「気持ちの切り替えができない」と泣いていた。

 メンタルのコントロールが、佐藤の課題となりそうだ。年下のライバル、奥原は試合でさまざまなルーティン(決まった手順)を自らに課し、抜群の集中力を発揮する。現在世界ランク5位の山口茜(20)は常にマイペースで心の揺れをほとんど見せない。

 10月のデンマーク・オープン。インドネシアと同じSSのプレミアに格付けされるこの大会で、佐藤は8強まで進出、復調の兆しをみせてきた。日本勢では山口が準優勝、奥原は故障中で欠場した。

 最大2人の五輪代表になるために、日本選手との直接対決に勝つ必要はない。代表は原則、出場エントリーの締めきり直前の世界ランクで決まる。東京五輪ならそれは20年5月ごろ。

 ただし、全日本総合選手権は特別な意味を持つ。次の年に日本代表Aとして活動する選手がそこで決まるからだ。女子シングルスの代表Aは4人。決勝まで進めば自動的に選ばれる。代表Aにいなければ、SSなど格付けの高い大会で世界ランクのポイントを稼ぐことは難しくなる。

 17年の全日本総合は11月27日に開幕する。「今の日本女子はレベルが高い。最終的に奥原さんと山口さんのどちらかを上回らないと五輪には行けない」。長くて気の抜けない戦いがいよいよ本格化する。(敬称略)

〔日本経済新聞夕刊11月1日掲載〕

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