新東名最高速度110キロに 1年間試行、安全性検証
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新東名高速道路の新静岡インターチェンジ(IC)―森掛川IC(約50キロ)の上下線で1日、最高速度が現行の時速100キロから110キロに試験的に引き上げられた。高速道路の最高速度引き上げを巡る国の議論を受けた措置で、1年間試行を続け安全性を検証する。

最高速度の100キロ超への引き上げは、国内最初の高速道路である名神高速が開通した1963年以降初めて。
静岡県警高速隊の新静岡分駐隊駐車場(静岡市葵区)では、交通指導取り締まりの出発式が開かれ、望月裕正隊長が「試行が全国に先駆けて実施されることの重みを感じ、交通事故防止に奮闘してほしい」と訓示した。
引き上げ開始の午前10時になると、速度を示す標識の数字が一斉に110に切り替わった。静岡サービスエリアにいた観光バスの運転手、宮崎靖夫さん(53)は「走っていたら標識が変わって驚いた。会社の規則で最高速度は95キロと決まっているので、これまで通り安全運転を心掛けたい」と話した。
悪天候や事故が起きた場合は、状況に応じて速度制限を行う。大型トラックなどの車種は現行の最高速度80キロに据え置く。110キロで走る車種との速度差増大による事故を防ぐため、一部区間では、大型トラックの走行を左端の第1通行帯に原則限定する。
東北自動車道の花巻南IC―盛岡南IC(約30キロ)でも引き上げられる方針で、岩手県警などが開始時期を検討している。〔共同〕